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米国:日本人2人がカメの密輸で逮捕

2011年01月14日
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110114concealed(c)USFWS.jpg 110114full-view(c)USFWS.jpg  押収されたカメ ©USFWS

 米国のロサンゼルス国際空港でカメを密輸しようとしたとして日本人2人が逮捕された、とUnited States Attorney's Office for the Central District of Californiaが2011年1月10日に発表した。

 2人は、スッポンモドキCarettochelys Insculpta 15頭、インドホシガメGeochelone elegans 7頭、 インドハコスッポンLissemys punctata 5頭、オオアタマガメPlatysternon megacephalum 3頭、ニホンスッポンPelodiscus sinensis 11頭、ニシクイガメMalayemys subtrijuga またはM. macrocephal 14頭の淡水ガメ・リクガメ55頭の生きた淡水ガメ・リクガメおよそ55頭をお菓子の箱に隠して米国内に持ち込もうとしたという。

 2人は、米国内に野生生物を違法に輸入した罪と、米国のEndangered Species Act(絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律)に違反した罪で、刑事告訴された。

 この事件は、カメが違法に米国に持ち込まれているとわかった1年前から、米国魚類野生生物局によって捜査がおこなわれていた。2010年7月に、おとり捜査として捜査員が密輸組織に潜入し、逮捕された日本人に繋がる人物からカメ約10頭を購入した。これらのカメはすべてワシントン条約に掲載されているものだった。

 2010年8月には、今回逮捕された2人の仲間である人物が大阪からホノルル国際空港へ到着した際、ワシントン条約掲載種のカメおよそ42頭を、預けた荷物の中に隠しているのを税関国境警備局のオフィサーが発見した。米魚類野生生物局の捜査員は、男性を逮捕した後、彼が今回逮捕された1人から10万円と旅費でカメの密輸を頼まれていたことを聞いた。この男性はハワイの連邦裁判所において、カメの密輸の件で罪を認めている。

→関連記事『日本人がハワイでカメの密輸』

(The United States Attorney's Office for the Central District of Californiaの報道発表(Release No. 11-003)、2011年1月10日、 "Japanese nationals arrested on charges of smuggling turtles and tortoises from Japan into the United States". http://www.justice.gov/usao/cac/pressroom/pr2011/003.html (2011年1月12日閲覧);Los Angeles Times 2011年1月11日、"Exotic turtles seized at LAX in smuggling arrest". http://www.latimes.com/news/local/la-me-0111-turtle-smuggle-20110111,0,6789292.story (2011年1月12日閲覧))

このニュースの記事は、日本が関係する野生生物取引に関する事件が国内外で起きていることについて知らせしているものです。その内容については外部の情報源からとりあげており、トラフィックはその内容の確実性、また情報源のページへのアクセスの継続性については責任を負わないことをご了承ください。
2011年01月14日
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