ホーム野生生物ニュース薬用動植物ニュース植物と人の暮らしの双方にとってプラスとなる「フェアワイルド」
パンフレット『野生植物とわたしたちの暮らしを支えるフェアワイルド』完成!

野生生物ニュース

植物と人の暮らしの双方にとってプラスとなる「フェアワイルド」
パンフレット『野生植物とわたしたちの暮らしを支えるフェアワイルド』完成!

2011年10月26日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
111026-FairWildbrochure.jpg

 このたび、フェアワイルド基準やその認証制度について基礎的な情報を収めたパンフレット『野生植物とわたしたちの暮らしを支えるフェアワイルド』が完成した。

 薬品やアロマ、食品などに含まれるさまざまな成分の中には、植物に由来した成分が多く含まれている。しかし、一方でこのような特定の野生の植物が過剰に採集され、絶滅の危機に追い込まれるケースは少なくない。「フェアワイルド」は、こうした問題に対処できるよう、植物を採集、利用を持続可能な形でおこなうために作られた国際的な基準である。フェアワイルドはまた、野生植物を採集して暮らす現地の人々の生計を守ることにも配慮している。この基準は、「認証」制度を提供しており、ロゴマークをつけた商品がヨーロッパや北米で流通し始めたところである。

 日本でも、漢方薬や香料、化粧品、香辛料、ハーブティーなどさまざまな用途で野生の植物が利用されている。日本においてもプロジェクト「日本の産業界が救うアジアの薬用・アロマティック植物」で、日本の企業が、このフェアワイルドを活用し、野生の薬用植物の原料について責任ある生産や調達を実施できるように提案している。同時に、消費者に対しては持続可能な形で調達された製品を求めるように働きかけていく。「環境に対する認識や、健康志向のライフスタイルへの欲求が日本人の消費者の間で高まるにつれて、こうした資源の持続可能な利用の推進がこれまで以上に重要になっている」と、トラフィックイーストアジアジャパンの金成かほるは言う。

 
111026fair_wild_01-2.jpg

 今回のパンフレットは、フェアワイルドが何を対象にしているのか、またフェアワイルド認証と他の認証の違いや、フェアワイルドへの参加の仕方、よくある質問にお答えするQ&Aなど、もっとも基礎的な情報をまとめた資料となっている。

 フェアワイルドを知るための基礎的な資料となるこのパンフレットをぜひ一度ご覧いただき、実際にフェアワイルド基準導入を検討していただけることを、トラフィックは期待している。

パンフレット『野生植物とわたしたちの暮らしを支えるフェアワイルド』のダウンロードや冊子の入手についてはこちら

※このパンフレットは日本経団連自然保護基金のご支援によって作成されました。

 



関連リンク
フェアワイルドとは
・野生生物ニュース「日本の薬用植物産業界にとっても持続可能な調達は重要である」

2011年10月26日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

20170715c.jpg

香港で史上最大級7.2tの密輸象牙を押収

2017年07月18日

2017年7月4日、香港税関は葵涌(クワイチョン)でコンテナに隠された7.2tの密輸象牙を押収した。年に2万頭を超えるアフリカゾウが密猟されている中で起きた今回の摘発は、過去30年で最大級の規模と見られており、象牙の違法取引をめぐる国際的な組織犯罪の深刻さを物語っている。こうした一連の野生生物の違法取引に問題に対し、各国政府は今、強く連携した取り組みを進めようとしている。合法的な象牙の国内市場を持つ日本にも、この流れに参加する積極的な姿勢と取り組みが強く求められている。

©Keiko Tsunoda

170710_elephant.jpg

楽天がオンライン店舗での象牙製品販売を停止

2017年07月10日

楽天株式会社が楽天市場での象牙製品の販売行為を今後認めないことが明らかになった。現在、日本国内で合法的に販売されている象牙製品は、近年のアフリカゾウの密猟とは因果関係がないとされている。しかし、トラフィックの新たな調査でも、急成長を続けるeコマースを通じた象牙取引については、法律の整備が追いつかず、対応しきれない状況が続いていることが明らかになっており、トラフィックとWWFジャパンも厳しい措置を求めていた。日本のe-コマース企業の判断としては、大規模な今回の楽天の決定が、他企業にもより厳しい対応を迫るものとなることが期待される。

©Steve Morello / WWF

170622_elephant.jpg

日本国内での象牙取引で違法事例
古物商ら27人が書類送検 

2017年06月22日

2017年6月20日に象牙18本を違法取引した容疑で、都内の古物商と従業員、その顧客ら27人が書類送検されるという大規模な事件が報道された。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内の違法取引が意味するところとは何か。国内市場管理の問題点と、トラフィックとWWFジャパンが提言する国内違法象牙ゼロに向けた課題を紐解く。

@Martin Harvey / WWF

関連出版物

15_Hard_to_bear_Malaysia.jpg

Hard to Bear: An Assessment of Trade in Bear Bile and Gall Bladder in Malaysia

発行:TRAFFIC Southeast Asia【2015年6月】 著者:Lee, S.L., Burgess, E.A., Chng, S.C.L.【英語】50pp

14_Traditional_and_Wild-1.jpg

Traditional and Wild: Revitalizing traditions of sustainable wild plant harvesting in Central Europe

発行:TRAFFIC and WWF Hungary【2014年4月発行】 著者:Kristina Rodina, Anastasiya Timoshyna, Andreja Smolej,Darijan Krpan, Elena Zupanc,Éva Németh,Gabriela Ruzickova,Gergő Gáspár, József Szántai,Malgorzta Draganik, Péter Radácsi,Stanislav Novák, Szilárd Szegedi【英語】40pp