ホーム野生生物ニュース違法事例・法執行ニュース>相次ぐロシア極東地域でのクマやトラの部分の押収

野生生物ニュース

相次ぐロシア極東地域でのクマやトラの部分の押収

2007年10月03日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
押収されたトラの皮とクマの掌
©Pavel Fomenko / WWF

【2007年8月30日】
 極東ロシアのプリモルスキー州の税関と国境警備隊は、中国向けの違法な野生生物から作られた製品を押収した。

 押収にはツキノワグマおよびヒグマの掌やシベリアトラの皮と骨が480個、野生のチョウセンニンジン(朝鮮人参)20kgが含まれていた。特に、シベリアトラの部分とそれらを利用した製品が押収されたのは、今年に入って4回目である。本年1月、360kg分のクマの掌とシベリアトラ3頭の毛皮と骨、サイガの角531本が押収された。続く2月には、ハンカ分遣隊からの国境警備隊が130個のクマの掌を押収している。さらに7月、ウラジオストクの税関で、北朝鮮国籍の人物1人の出国手続き審査中、130個のクマの掌が発見された。サイガの角を除くこれら押収物品は、ロシア極東地域から来ている。

 「この最近の押収は、ロシア国境の極東地域を越えて密輸されている野生生物製品がどれだけの量になるかを示唆している」とトラフィックのアレクセイ・ワイズマンは言う。

 いわゆる「ハンカの裂け目」といわれているのは、中国とロシアの国境地帯ではもっとも悪名高い一帯のひとつである。この区域での厳格な管理を維持するためにも、違法な取引を差し止め、これらを持ち出しの責任を負う者を捕まえることがもっとも重要である。ワシントン条約の書類に関連した複雑な官僚機構の簡略化もまた、状況をよくする手助けとなるだろう。

 このクマの掌とチョウセンニンジンの密輸にかかわった中国国籍とロシア国籍の人物に対する法的手続きが始まっている。

2007年10月03日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170830ivory.jpg

国内での象牙取引で違法事例再び
古物商ら12人が書類送検されるも不起訴に

2017年08月30日

2017年8月25日に象牙9本を違法に取引した容疑で、東京都内の古物商と従業員、その顧客ら12人が書類送検されるという事件が報道された。これは、6月20日に同じく18本の象牙を違法に取引した業者が書類送検された事件に続き、2017年で2件目の摘発となる。さらに29日には、不起訴処分となったことが明らかになった。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内で相次ぐ違法な象牙の取引。国内市場管理の問題点があらためて浮き彫りになっている。

©Martin Harvey / WWF

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

関連出版物

17_Online_Ivory_Trade_in_Japan_JP.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引 アップデート

発効:トラフィック【2017年8月】 著者:北出智美【日本語】Briefing Paper

17_Briefing_CHI-World_Rhino_Day.jpg

Chi Initiative BRIEFING PAPER World Rhino Day 2017

発行:Chi Initiative【2017年9月】 著者:TRAFFIC【英語】24pp