ホーム野生生物ニュースワシントン条約・法律ニュース>ワシントン条約締約国会議:予備評価の内容を歓迎

野生生物ニュース

ワシントン条約締約国会議:予備評価の内容を歓迎

2007年03月10日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
070228elephant.jpg アフリカゾウについては4つの改正提案が提出されている
© WWF-CANON/Martin Harvey

【2007年2月28日 英国、ケンブリッジ】
 2月28日、ワシントン条約事務局による野生生物取引の規則の改正に関する新しい提案への予備評価に対し、トラフィックとWWFは歓迎の意を表した。

 これらの提案はオランダのハーグで6月3日~15日に開かれる第14回ワシントン条約締約国会議で詳しく討議され、それぞれに対し投票がおこなわれる。

 ワシントン条約の附属書は、取引規制の程度が異なる3種類に分かれており、種によってはそのいずれかに掲載されるかもしれない。第14回会議で討議される提案は、アフリカゾウ、ヒョウなどの哺乳類から、商業価値のある海洋生物であるサメ、ウナギ、サンゴまで、その対象は広範囲にわたる。今年の動物種に関する提案のうち、3分の1が海洋生物に関する提案である。

 ドイツは欧州連合を代表し、ニシネズミザメとアブラツノザメのワシントン条約の附属書 II への掲載を提案した。つまり、合法的かつ持続的であることが証明できる場合に限り、それらの種の取引を許可するという提案である。これらのサメの附属書 II への掲載が、漁業の管理を改善し、それらの種の衰退をくい止めるために役立つものとトラフィックとWWFは確信している。それらの種の個体数は北大西洋で激減しており、アブラツノザメは過去10年間に最大95%、ニシネズミザメは過去40年間に最大89%減少した。

 いくつかの中南米の木材種についても、ワシントン条約による規制を求める提案がされている。これらは持続的な森林管理に関して、現在も起こっている問題を明らかにしている。

 提出された改正提案のうち4件がアフリカゾウに関する提案である。そのうちタンザニアの提案として、国内のアフリカゾウ個体群を、商業目的の国際取引が禁じられる附属書 I から管理された取引が許可される附属書 II に移すことが提案されている。

 トラフィックとWWFはゾウに関する提案に盛り込まれた情報について検討をおこなっている。また、トラフィックによる違法象牙取引の分析やタンザニア提案に関する中立の立場からの検討結果などの追加情報を待っている。

第14回ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案の詳細についてはこちら(トラフィックイーストアジアジャパン特別ページ)

2007年03月10日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170830ivory.jpg

国内での象牙取引で違法事例再び
古物商ら12人が書類送検されるも不起訴に

2017年08月30日

2017年8月25日に象牙9本を違法に取引した容疑で、東京都内の古物商と従業員、その顧客ら12人が書類送検されるという事件が報道された。これは、6月20日に同じく18本の象牙を違法に取引した業者が書類送検された事件に続き、2017年で2件目の摘発となる。さらに29日には、不起訴処分となったことが明らかになった。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内で相次ぐ違法な象牙の取引。国内市場管理の問題点があらためて浮き彫りになっている。

©Martin Harvey / WWF

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

関連出版物

17_Online_Ivory_Trade_in_Japan_JP.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引 アップデート

発効:トラフィック【2017年8月】 著者:北出智美【日本語】Briefing Paper

201704hk-ivory-report-closing_strategy-1.jpg

Closing Strategy:Ending Ivory Trade in Hong Kong

発行: TRAFFIC【2017年4月】 著者: Lau, W., Xu, L., Guan, J. and Xiao, Y【英語】48PP