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希少なチョウの採集ツアーで企画者・参加者が逮捕

2009年11月20日
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 2009年10月14日に警視庁生活環境課、池袋署、池上署は、東京都品川区の無職の男性(53)をワシントン条約で国際取引が禁止されているルソンカラスアゲハPapilio chikae を不正に輸入したとして、外為法違反容疑で逮捕し、さらに23日に大阪府の地方公務員ら男性4人を同様に外為法違反容疑で東京地検に書類送検した。

 14日に逮捕された男性はフィリピンのルソン島でのルソンカラスアゲハの採取ツアーの企画者で、他4人はその参加者であった。

 書類送検された2人が2009年3月28日に先に計20匹をスーツケース等に入れフィリピンを出発し、関西国際空港に降り立った。その後、企画者を含む残る3人が計20匹をスーツケース等に入れフィリピンを出発し、成田空港に到着した。各自到着の際、経済産業省の承認を受けずに、ルソンカラスアゲハを輸入したという。

 容疑者はチョウの収集家で2008年8月と2009月8月も同様のツアーを開催したという。

(出典:毎日新聞、2009年10月23日;読売新聞、2009年10月24日;産経ニュース、2009年10月23日)

 ルソンカラスアゲハは、黒に青と赤の模様が美しいフィリピン原産の蝶である。IUCNレッドリストでは絶滅危惧種(EN)に分類され、1987年よりワシントン条約では附属書 I に掲載され国際取引が禁止されている。ワシントン条約が施行されてから、世界の取引を見ても合法的な取引量はわずか十数匹で、日本が合法的に輸入した実績はない。

 このところワシントン条約に掲載されているチョウの密輸や国内の不正取引の摘発が続いている。2009年7月にも、アレクサンドラトリバネアゲハOrnithoptera alexandrae、ホメルスアゲハ Papilio homerus 、ルソンカラスアゲハ、アポロウスバシロチョウParnassius apolloなどを密輸、不正販売するなどして、標本販売業者が逮捕されていた。

2009年11月20日
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