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ドイツでイベント「Wild Thing」開催:企業が関心を寄せる野生植物の持続可能な調達

2012年04月20日
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120300Biofach-2012.jpg フェアワイルド・ファウンデーションのブライオニー・モーガンがビオファ2012で開催された野生植物やハーブ産業に関するイベントで80人以上の参加者に話をしている様子。©TRAFFIC

【ドイツ、ニュルンベルグ 2012年3月】
 2012年2月に開催されたオーガニック・ナチュラル関連製品の展示会、ビオファ*1の期間中、インスティテュート・フォー・マーケテコロジー(the Institute for Marketecology (IMO))*2とフェアワイルド・ファウンデーション*3が特別イベントを開催、80人以上が『Wild thing: I think I love you...野生植物とハーブ産業』と題したこのイベントに参加した。

 ニュルンベルグで開かれたこの特別イベントには、採集事業者や取引業者、最終製品の製造業者、NGO、政府関係機関、政府間機関などの代表者が参加した。

 「イベント参加者の関心や取り組みの程度をみると、野生からの採集や供給における持続可能性の確保について、これまで産業界の課題の中で大きく取りあげられてこなかったことがよくわかる」とフェアワイルド・ファウンデーション事務局のブライオニー・モーガンは言う。

 トラフィックは薬用・アロマティック植物プログラムを通じ、フェアワイルド・ファウンデーションの中の一パートナーとして、フェアワイルド基準の推進を支援している。

 フェアワイルド・ファウンデーションの理事のひとり、ベルトヤン・オッテン(Bert-Jan Ottens)氏は、野生から採集された天然原料への市場の需要傾向や持続可能性の重要性を紹介し、状況を説明した。

 その後、ブライオニー・モーガンがフェアワイルド・ファウンデーションにおける最近の進展状況について報告した。

 産業界の代表者らは、野生植物の調達やフェアワイルド基準利用にあたっての彼らの経験を共有した。

 マーチン・バウアー社(Martin Bauer)のクリスティーナ・クリュッグ(Christina Krug)氏は、仕入れ先がフェアワイルド認証を実施した際の課題や成功例について話をした。

 オーガニック・ハーブ・トレーディング社(Organic Herb Trading Company)のマイク・ブルック(Mike Brook)氏は、野生からの採集において持続可能性が重要であることや、発展途上国にいる取引パートナーのかかえる現実や彼らの優先課題を反映した基準にする必要性についての考えを語った。

 会場はその後、参加者との議論の場となり、専門的な質問やフェアワイルド基準や認証システムに対する激励の意見などが飛び交った。

 例えば費用や認証の手続きについては、さらに多くの認証機関が参加することで、フェアワイルドの活用が推進されるとの意見や、フェアワイルド認証製品の一般向けキャンペーンや販売促進を通じて消費者意識を高める必要があるといった声が上がった。

 取引業者や最終製品の製造業者は、フェアワイルド認証原料を入手することや、フェアワイルド基準の原則を企業独自の調達方針へ応用することへの高い関心を示していた。フェアワイルド認証を取得した事業者、取引業者はまた、この取り組みの実務的な側面をどう改善していくかに対しても意見を述べた。

 このイベントは、多くの人々や団体からの協力および、WWFドイツの資金的な支援によって実現した。


注:
*1「ビオファ(BioFach)」はドイツ語で「オーガニック専門」という意味を持つ、世界最大級のオーガニック・ナチュラル関連製品の展示会である。

*2非営利団体としてスイスに登録されているフェアワイルド・ファウンデーションは、野生から採集された自然資源の持続可能な利用・取引を推進している。フェアワイルド・ファウンデーション事務局は、英国のケンブリッジにあるトラフィックインターナショナルの事務所内にある。

*3IMOはフェアワイルドの取り組みのための認可された認証機関であり、フェアワイルドの審査を実施し、認証をおこなっている。IMOはまた、南コーカサス地方でのGIZ(ドイツ国際協力公社)とのプロジェクトにおいても、フェアワイルド基準実施に関わっている。

特集ページ:フェアワイルドとは

2012年04月20日
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