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-更なる取り組みの必要性

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【CITES-CoP17】閉幕:野生の動植物保全における多くの進捗、懸念される違法取引の増大
-更なる取り組みの必要性

2016年10月05日
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全般として建設的な会議であったが、一層の努力が求められる
©TRAFFIC

【南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ発 2016年10月4日】

 野生動植物の取引規制に関する各国間の2週間に亘る協議は、10月4日に終了した。国際社会が協調して、違法取引の根絶と持続可能な利用を確かなものにするための大きな前進があった。

 最終日は、9月24日から10月3日まで協議した多くの議題を確認・採択し、予定を1日前倒しして閉幕した。

 「多岐に亘る野生生物に関する課題に重要な前進が見られたこの会議は、非常に有益なものであった」トラフィックの事務局長スティーブン・ブロードは会議の感想をこう述べ、「飼育繁殖、合成製品、需要削減、トレーサビリティ(追跡可能性)、サイバー犯罪、さらに汚職などの政治的腐敗まで、さまざまな問題について、注目の高い種の附属書改正同様に大きな進捗があった」と、特に重要視していた課題に言及し、その成果を歓迎した。

飼育繁殖:
野生で捕獲した動植物を飼育繁殖したように装い、合法販売するロンダリングに対処するための新しい決議が採択された。

合成製品:
締約国は、ワシントン条約の附属書に掲載されている種からバイオエンジニアリングによって作られた製品が、野生の個体へ悪影響を与えないように適切に規制することにも合意した。例えば、サイの角は需要が過大で、そのために毎年1,000頭を超えるサイが密猟されている。代替品で過剰な需要を賄おうという意図のもとつくられた人工のサイの角が、本物との識別の困難さからかえって問題を引き起こすというようなケースに対応するためのものである。

需要削減:
今回の会議では、需要削減も非常に注目された。新たに合意された決議では、適切に対象を絞った根拠に基づいた方法で消費者行動を変えることを求めている。「密猟と違法取引をなくすための規制努力も違法な製品への需要を抑える努力なしには、効果がないだろう」と、トラフィックの消費者行動変革コーディネータのゲイル・バーゲス(Gayle Burgess)は需要削減の必要性を語った。

政治的腐敗:
今回は初めて、野生生物取引の規制を無力化してしまう政治的な腐敗にどのように対処するかをテーマにしたフォーラムが開催され、建設的な議論が交わされた。

トレーサビリティ:
トラフィックの水産プログラム・マネージャのグレン・サント(Glenn Sant)は「トレーサビリティは、サメや爬虫類の革など多様な製品の持続可能で合法的な取引の仕組みを強化する上での鍵となる。要するに、製品にトレーサビリティ情報が表示されていれば、その製品が合法で持続可能なものだと確信できるということだ」と述べた。

 附属書改正に関する決定
エイ類・サメ類:
クロトガリザメ、オナガザメ類3種、イトマキエイ類9種がワシントン条約の附属書Ⅱに掲載されることが決まった。これらの種の追加は、前回の締約国会議(CoP16)で掲載されたサメ・エイの施行について良好な報告が寄せられたことに後押しされた。

木材種:
マスコミの注目度は高くないが、最も意義のある成果のひとつは、商業的に国際取引されるさまざまな木材種の規制が決まったことだ。ローズウッドと呼ばれるものを含めたブビンガ属のすべての種が附属書Ⅱに掲載されることになった。

「附属書の掲載が決定した。これら貴重な木材種の取引を持続可能なものにするための大仕事が今、はじまった」と、東・南アフリカ地域代表のディビッド・ニュートン(Davit Newton)は、力を込めて語った。

 ワシントン条約で国際取引が禁止されているゾウやサイなど象徴種と呼ばれる種についても前進があった。

ゾウ:
ゾウでは、NIAP(国内象牙行動計画)の効果的な実施を強化するためのガイドラインの作成などが挙げられる。NIAPは、第16回締約国会議(COP16)で導入されたシステムで、押収されたデータの分析により、「違法取引に大きく関与している」と特定された締約国に対し、計画立案と施行を求めるものである。そのほかにも、条約が各締約国政府に未規制の国内市場をなくすよう求めることも合意された。

トラフィックとWWFは、会期中に報告書 『In Transition: Bangkok's ivory market(過渡期にあるバンコクの象牙市場)』を発表し、過去2年間のバンコクの象牙市場が劇的に縮小したことを報告した。タイは、NIAPS導入後、特に大きな成果を実現した国である。

アフリカゾウは現在、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ共和国およびジンバブエの南部アフリカ諸国の個体群が「附属書Ⅱ」に、その他の個体群が「附属書Ⅰ」に分割掲載されている。附属書Ⅰに掲載されている個体群の生息国を中心とした国々は、全てのアフリカゾウ個体群を「附属書Ⅰ」にすることで、象牙を含むアフリカゾウの商業取引を全面禁止とすることを求める提案をおこなった。一方で、ナミビアとジンバブエは、取引規制の緩和を求めることを提案。対立した提案は、いずれも否決され、現在の分割掲載が維持されることになった。

サイ:
サイを絶滅の危機にさらしている密猟と違法取引に深く関与している2カ国-違法輸出国であり、また密輸の中継国でもあるモザンビークと消費国であるベトナム-。

スワジランドから提出されたサイの角の取引合法化の提案は、現在の違法市場の大きさへの懸念から否決された。この提案についての議論は、サイや他の野生生物を守るためには資金が必要であるという現実的で重要な課題を明らかにした。

トラ:
トラフィックは、報告書 『Skin and Bones Re-examined(皮と骨になり果てる:再点検)』を発表し、2012~2015年に押収されたトラのうち少なくとも3割がトラ牧場(飼育繁殖施設)からのものであることを明らかにした。締約国政府は、こうした事実を受けて、トラ牧場への管理の強化と関係する取引の精査を決めた。また、ラオスは、今後トラ牧場を閉鎖することを宣言した。

センザンコウとサイチョウ:
会議冒頭、ラオスは、野生生物の違法取引で大きな役割を果たしていると指摘された。

トラフィックが発表した オナガサイチョウ センザンコウの取引に関する報告書が、この議論に根拠を与えるものとなった。

附属書改正について、おそらくもっとも大きく取り上げられたのは、センザンコウだろう。8種すべてが商業目的の国際取引を禁止する附属書Ⅰに掲載されることが決まった。この動きは、密猟・違法取引の急増の証拠とアジアに生息する種の減少によってターゲットがアフリカに生息する種に移ったという報告書によるものである。

トラフィック事務局長のブロードは、今後の施行の重要性を強調した。「この2週間でいくつもの重要な決定がヨハネスブルグでなされた。こうした決定が適切に実行されるかは締約国政府の肩にかかっている」。


第17回締約国会議 附属書改正提案結果一覧(速報)
ワシントン条約事務局公式ウェブサイトCoP17特設ページ(英語)


会議開催前の参考資料:
第17回締約国会議 附属書改正提案に対するトラフィックの見解
第17回締約国会議 議題にのぼる種などに関する基礎情報ファクトシート

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