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底刺し網漁業がインド洋のサメの脅威となっている

2016年06月29日
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南インド洋漁業協定で管理されている水域の大まかな範囲
© TRAFFIC

【オーストラリア、ウランゴング発 2016年5月26日】

 トラフィックは南インド洋で漁業をおこなっている国の政府に対し、今年7月の会議において、底刺し網の使用の完全禁止を検討するよう促している。

 底刺し網の使用は、深海のツノザメやその他のサメなどの種に重大な影響を及ぼす可能性のある漁業形態である。

 現在、南インド洋漁業協定(SIOFA)を通じ管理されている公海では、底刺し網漁業が暫定的に禁止されているが、オーストラリア、クック諸島、EU、フランス(海外領土)、日本、韓国、モーリシャス、セーシェルで構成される締約国・地域がレユニオンで協定の再検討をおこなう今年の7月に暫定的禁止は無効となる。

 「底刺し網漁業は海洋環境に深刻な影響を与えていることから、トラフィックは、SIOFAの締約国・地域に対し、底刺し網の使用禁止を永久的で法的拘束力のあるものにするよう求める」と、トラフィックの水産プログラムリーダーであるグレン・サント(Glenn Sant)は述べた。

 長さが数百kmにもなり、水面から1km以上下まで落とされる巨大な網は、船の航路にあるすべてのものを漁獲する。特に問題と考えられる点は、網が行方不明になった場合や捨てられた場合に、その後何年もの間「ゴーストフィッシング」し続けることである。オーストラリア当局が2009年に押収した刺し網には、29tのライギョダマシに加え、相当な量のガンギエイも混獲されていた。

 2009年、新たに設立された南太平洋漁業管理機関(SPRFMO)は、管理する海域での底刺し網の使用の禁止に動いた。トラフィックは、以前からそのような禁止の導入を求めていた。底刺し網漁業や大規模な遠洋流し網漁業は、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)、南東大西洋漁業機関(SEAFO)、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)、北東大西洋漁業委員会(NEAFC)を含めた多くの国際的な漁業管理機関ですでに禁止となっている。

 「SIOFAの締約国・地域は、非常に破壊的なこれらの漁業慣行をすでに禁止している国際的な漁業管理機関に加わるべきであり、また、どこで漁獲していても、自国を旗国としている船舶による底刺し網の使用を防ぐ必要がある。公海の一部でこれらの刺し網を禁止する一方で、他の海域では許可することはあまり意味のあることではない」と、サントは述べた。

 今年初めのSIOFAの科学委員会では、締約国・地域は、7月の会合で禁止を導入するかどうかの結論に達しなかった。

 「SIOFAの締約国・地域は、責任ある漁業管理を有言実行するため、責任を負い、禁止を導入する必要がある。全世界が息を詰める思いで見守っている」と、サントは述べた。

【追記情報】
5月27日:
オーストラリアは南インド洋漁業協定が管理する地域で底刺し網を禁止する提案を提出した。トラフィックは、この提案を他の7つの締約国が支持するよう促す。

2016年06月29日
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