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マダガスカルの木材伐採、制御不能 新たな調査で明らかに

2017年02月14日
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マソアラ国立公園(Masoala National Park)のDalbergia madagascariensis © Julien Noel Rakotoarisoa / MEEF

【アンタナナリボ、マダガスカル発 2017年2月14日】

 政情不安、政府の失政、森林管理の欠如、そして悪名高い密売人を刑罰に処さなかった過失、これらの要因が重なり、2010年3月から2015年3月までの間、マダガスカルの希少な木材資源は実質的に管理が皆無の状態にあったとトラフィックが発表した報告書は指摘する。

 報告書『Timber Island: The Rosewood and Ebony Trade of Madagascar(木材の島:マダガスカルにおけるローズウッドおよびエボニーの取引)』によると、5年間で少なくとも35万本の木が保護区内で違法に伐採され、少なくとも15万tの丸太が中国、マレーシア、モーリシャスを含む国々に向けて違法に輸出された。

 はびこる貧困と汚職、伐採現場での種の識別技術や木材資源に関する知識の不足といった付加的要素が、規制の欠如と相まって、希少な木材種の無秩序な伐採の蔓延を招いた。

 「貧弱なガバナンスと汚職により木材伐採の無規制状態が生じたために、マダガスカル各地の保護区でローズウッドやエボニーの伐採が横行する、いわば採り尽くしの「木材ラッシュ」が起きた。環境が回復するのには何年もかかるだろう」と、トラフィックのアフリカ地域シニア・ダイレクターのローランド・メリッシュ(Roland Melisch)は述べた。

 「今回の報告書は、マダガスカル政府がこの悲劇的状況の元凶となった諸問題を理解し、引き続く管理不行き届きの危機を脱する長いプロセスに着手するために役立つだろう」

 マダガスカルには、何百もの固有のローズウッド(Dalbergia)とエボニー(Diospyros)の木材種が生育する。これらの多くに対しては、その魅力的な色調と家具や調度品として加工するのに適した優れた耐久性を理由に、特にアジアで大きな需要がある。

 しかし、報告書では、「希少な木材の管理政策に関しては、政策決定-政治的宣言や国際的なコミットメント-と、実際の現場におけるそれらの実施状況が著しくかい離している」と示している。

 報告書は、政府に向けた数多くの提言をおこなっており、これら提言は、特に環境・生態系・森林省(Ministry of Environment, Ecology and Forests)、司法省(Ministry of Justice)、財務省(Ministry of Finance)、独立腐敗防止局(the Independent Anti-Corruption Bureau:BIANCO)、金融情報部門(Financial Intelligence Unit:SAMFIN)および森林行政のパートナーや研究機関を対象にしている。重点的に取り組むべき課題としては、既存の法規制の厳格な実施、そして重要な資源調査と種の識別に関する研修の実施が挙げられている。

 マダガスカルは以前から事態の改善を求める強い国際的圧力にさらされている。2016年9月に開催されたワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の会議で同国は木材の行動計画(Action Plan)を実施するよう条約事務局から通告を受けており、希少な木材種の押収された保管在庫の検査ならびに違法伐採に対する法執行で十分な前進を示すことができなければ、取引制裁が科される可能性もある。

 一方、国際社会からはマダガスカルを支援する姿勢も示されている。2015年12月に開催された中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)のサミットでは、マダガスカル産木材の主要輸入国である中国が、野生生物セクターに付随したアフリカ諸国への支援の増強と持続可能な森林管理に関する協力の強化を公約した。

 マダガスカルは国際熱帯木材機関(ITTO)に最近加盟し、木材取引に関する「ザンジバル宣言(Zanzibar Declaratio)」ならびに南部アフリカ開発共同体(SADC)の「Law Enforcement and Anti-Poaching Strategy:LEAP(法執行および密猟防止戦略)」の加盟国でもある。これらの枠組みに加え、アフリカ連合が率いる「Strategy on Combating Illegal Exploitation and Illegal Trade in Wild Fauna and Flora in Africa(アフリカの野生動植物の違法搾取および違法取引防止戦略)」は、マダガスカルが木材・森林業界の透明性とガバナンスを改善するために必要な資金的・技術的支援を開発銀行や国際社会に求める絶好の機会を提供する。それと同時に、こうした枠組みへの参加は、野生生物に由来する製品の密猟・密輸を防ぐにあたっての、地域レベルの協調・協働の必要性を同国が認識している証でもある。

 「マダガスカルは木材資源管理における改革の必要性を認めているように見てとれるが、こうした合意には政府の最もハイレベルでの厳格な行動が伴わなければならない」と、WWFマダガスカルのカントリー・ディレクターNanie Ratsifandrihamananaは述べた。

 2016年5月20日にマダガスカル政府は、「Biodiversity Management Plan for the Dalbergia spp and Diospyros spp.(Dalbergia属およびDiospyros属の生物多様性管理計画)」を採択した。これは、トラフィックが作成した「生物多様性管理計画」で、同国の木材取引を持続可能な基盤に乗せるために必要な一連の行動を計画したものである。

 「トラフィックはマダガスカル政府に対し、この生物多様性管理計画を完全に実施し、違法な木材取引を制御するために要求されるいかなる努力も支援する態勢で臨むことを強く求める」と、トラフィックの東・南アフリカ地域代表のディビッド・ニュートン(David Newton)は述べた。

 報告書 『Timber Island: The Rosewood and Ebony Trade of Madagascar(木材の島:マダガスカルにおけるローズウッドおよびエボニーの取引)』はUSAIDが資金提供するSCAPESプロジェクト「Preserving Madagascar's Natural Resources(マダガスカルの自然資源を守る)」のもと、トラフィックが作成した。このプロジェクトは、マダガスカルの自然資源の違法取引と闘うことを目的に、国内ステークホルダーの能力開発を目指したものである。

 SCAPESプロジェクトは2013年に始動し、WWF、ワイルドライフ・コンサベーション・ソサエティ(WCS), コンサベーション・インターナショナル(CI)、およびトラフィックの4つのNGOが作るコンソーシアムによって、市民社会と政府との緊密な連携のもと実施された。


報告書 『Timber Island: The Rosewood and Ebony Trade of Madagascar(木材の島:マダガスカルにおけるローズウッドおよびエボニーの取引)』

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