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日本とロシア 野生生物犯罪の罰則引き上げ

2013年04月26日
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©S Falkow / Creative Commons

【2013年4月19日】

 ロシアの首相ウラジミール・プーチンが、犯罪行為である絶滅のおそれのある種の密輸は、懲役刑を科せられることになる、という法案を国会に提出したことに続き、日本の環境省が、野生生物の違法取引の刑罰を1年から5年に引き上げる予定だと発表した。

 「野生生物の違法行為の罰則を引き上げる国々は、対処しなければならないこのような犯罪の重大さについて、世界的な認識への転換を示唆している」と、トラフィックの法執行プログラムのリーダーであるステファニー・ペンドリーは言う。

 「わたしたちは、野生生物犯罪に関する法体制を見直し、改善するために、世界中の国々が新たな決意を示すことを期待する」

 2012年、トライフィックとWWFは、ロシアの野生生物に関する法律の精査をおこない、法改正を提案した。その結果、罰金刑が軽いために密猟者や密輸業者が横行してきた法の抜け穴が強調され、希少な種やそれらの派生物の違法な捕獲や違法取引の罰則を厳しくすることが提案された。

 ロシアの国会が、懲役の期間について首相の提案を審議している最中の3月31日、ロシア政府は、野生のトラやヒョウ、猛禽類を含むその他絶滅のおそれのある種を捕殺または、捕獲して有罪判決を受けた者に対する賠償金を、110万ロシアルーブル(およそ350万円)に引き上げた。

 それと同時期に日本の環境省が、野生生物の違法取引の個人に対する刑罰の限度を、「1年以下の懲役または、100万円以下の罰金」から、「5年以下の懲役または、500万円以下の罰金」に強化すると発表した。

 同省はまた、絶滅のおそれのある種の取引の犯罪行為をおこなった法人に対する罰金を、100倍に当たる1億円まで強化することも予定している。日本で野生生物取引違反の罰則が提起されるのは、1993年に絶滅のおそれのある種の保全に関する法律が施行されて以来はじめてのことであるが、近年の状況と十分に一致した野生生物取引の法律となるためには、さらなる取り組みがまだ必要とされる。それに加えて同省は、絶滅のおそれのある野生生物の販売広告を禁止することも、改正案の中にあることを発表した。

 環境省の報道発表 → http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16572

 これらの発表は、オーストリアで開催される国連の委員会「犯罪防止刑事司法委員会(Crime Prevention and Criminal Justice:CCPCJ)」の-野生生物の違法取引に対処する刑事司法を討議する-会議の数日前になされた。会議は、野生生物の違法取引が深刻な犯罪であるとみなすように各国政府に訴える正式な機会であり、有罪判決を受けた犯罪者に対して、4年以上の懲役もしくは、もっと厳しい罰則を科すようにするための一手となる。

 昨年の9月、ニュージーランドも、自国の野生生物の密輸の刑罰を、懲役5年に引き上げ、深刻な犯罪のひとつとして扱うことを示した。

 同じ時期、南アフリカのサイの密猟で科せられた刑罰もまた、とても強い抑止力となるような類のものに強化された。それらは、最近起きた密猟犯罪で29年の懲役刑、さらに昨年の終わりに40年の懲役を科された犀角の密猟を生業としている中心人物(タイ人)の判決を含む。

 「南アフリカやニュージーランド、そして日本は、4年以上の懲役という罰則の強化によって、野生生物犯罪を深刻に捉えているということを既に見せている-CCPCJの会議は、世界的に深刻で、計り知れない影響のある犯罪に立ち向かうために、他の国々に同じ責務があることを明示するすばらしい機会である」と、WWFの違法野生生物取引キャンペーンの共同責任者であるウェンディ・エリオットは言う。

トラフィック イーストアジア ジャパンは、絶滅のおそれのある種の保全に関する日本における法律
 『絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律』(種の保存法) による国内取引管理の改善を長年政府に求めている。

■2012年2月 環境省に要望書を提出
→ http://www.trafficj.org/press/cites/j120221news.html

■2009年11月 シンポジウム「ルーツをたどれ!ワイルドライフ」を開催
→ http://www.trafficj.org/press/animal/j20091211news.html

■2005年10月 環境省に要望書を提出
→ http://www.trafficj.org/press/cites/press20051017j-2.html


+詳細に関するお問合せは:
WWF: Alona Rivord, arivord@wwfint.org, +41 79 959 1963
TRAFFIC: Richard Thomas, richard.thomas@traffic.org, +44 752 6646 216

+さらなる情報はこちらから(英語):
traffic.org/illegal-trade-campaign

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