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新レポート『私たちの暮らしを支える世界の生物多様性-日本の野生生物取引のいま-』発表
野生生物の取引を調査・監視しているトラフィックイーストアジアジャパンは、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)が開かれるのを機に、日本の野生生物取引の現状をご紹介するレポート『私たちの暮らしを支える世界の生物多様性-日本の野生生物取引のいま-』を発表しました。
日本は野生生物の輸入大国として、世界中の野生生物資源である生物多様性を利用しています。正倉院には象牙、沈香といった海外の野生生物を使った宝物が所蔵されているように、日本は古くから文化的にも国外の野生生物と深い関係があります。現在も、例えば食を支える水産物や、住居・家具として利用される木材、人々の健康を支える薬用植物、珍しい動物のペット、象牙のハンコ、といったように生活の中に世界中の野生生物とのつながりを見つけることができます。こうして日本人は意識せずとも野生生物の恩恵の下、暮らしているのです。
このレポートでは、日本の暮らしを支えている水産物・木材・薬用植物・ペット・象牙などの最近の野生生物取引の動向についてとりあげています。今年話題となったクロマグロや、時に違法取引がクローズアップされる爬虫類のペット、生物多様性条約締約国会議にも密接な関係のある薬用植物の持続可能な利用など、最近の傾向を交えて説明しています。
レポートの中では、日本がおこなっている野生生物取引とはどのようなものか、現状や規制状況などを具体的な数値を交えながら紹介しています(下図参照:レポートから抜粋)。
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こうしたデータからも日本が世界の生物多様性に大きな影響力を持っていることがうかがえます。「生物多様性条約第10回締約国会議が日本でおこなわれるのを機に、このレポートによって多種多様な野生生物製品の利用について理解を深め、そして日本に直接関わりのある生物多様性の恩恵を知ることで、生物多様性にどう貢献していくのかを考えてほしい」と著者のひとりであり、トラフィックイーストアジアジャパン代表の石原明子は言います。
ここでとりあげるのは数ある野生生物取引のごく一部ですが、このレポートが世界の生物多様性保全に対し、日本が負う責任の大きさを認識するきっかけとなることを期待します。
なおトラフィックは、CBD-COP10期間中に本レポートにもとりあげられている薬用植物の持続可能な利用やフェアワイルドに関するセミナーを開催します。詳しくはこちら
■本件に関するお問合せ:
トラフィック イーストアジア ジャパン (略称:トラフィックジャパン) 石原明子 Tel:03-3769-1716
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