ロシアはチョウセンゴヨウの違法伐採を防ぐための施策を実行に移した。 © TRAFFIC |
【ロシア、モスクワ発 2010年7月29日(世界タイガー・デー)】 ロシア政府は、極東ロシアのシベリアトラ(アムールトラ)の生息地における重要種であるチョウセンゴヨウ(ベニマツ)Pinus koraiensis の保護政策を導入した。
チョウセンゴヨウの需要が世界的に高まったことで、ロシアに残る温帯林でも伐採が大幅に増加したが、その大部分は違法伐採である。ロシアは、伐採を規制するために、チョウセンゴヨウを ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の附属書Ⅲに掲載した。これは、ロシアからのチョウセンゴヨウの輸出にはワシントン条約の許可書が必要となることを意味し、違法な木材の取引の継続がこれまでより難しくなるということである。
「トラフィックとWWFロシアは、チョウセンゴヨウの商取引規制措置を高く評価する。チョウセンゴヨウの実を売って生計を立てている地元の人々にとって、そしてチョウセンゴヨウの育つ森に生息するシベリアトラにとって、これは素晴らしいニュースである。この新しい措置がしっかりと実行されるようにバックアップが必要だ」と、トラフィックヨーロッパ、ロシアのシニアプログラムオフィサーであるアレクセイ・ワイズマンは述べた。
輸出データの分析によると、ここ10年の間に、世界経済の減速に伴い殆どの樹種の木材取引が減少しているにもかかわらず、チョウセンゴヨウの取引は増加傾向にある。今回の新しい措置は、合法的で持続的な収入を得る手段としてWWFとトラフィックが促進してきた同地域での合法的なチョウセンゴヨウの実の取引に、有益な効果をもたらすだろう。「ワシントン条約への掲載が、チョウセンゴヨウの違法伐採の仕組みをついに断ち切る一歩となり、代わりに同地域で持続可能な林産物の取引が後押しされることを期待している」と、WWFロシア、アムール支部の森林プロジェクトコーディネーターであるイブゲニー・レペスキン(Evgeny Lepeshkin)は述べた。今回の措置は、トラ保護活動が特に活発になりつつある2010年における、重要な出来事である。
極東ロシアから中国北東部にかけて広がるチョウセンゴヨウの自生する森林には、約400頭のシベリアトラが生息している。チョウセンゴヨウの実は、トラの獲物となる動物にとって非常に重要な食料源である。
「シベリアトラの命運はチョウセンゴヨウの保全措置と密接に関係している」と、トラフィック/WWF合同トラ取引プログラムのマネージャーであるポーリーヌ・ヴァーヘイジ(Pauline Verheij)は述べた。7月14日には、トラが今も生息する13ヵ国が、歴史的なトラ保護に関する宣言の草案を作成した。この宣言では、これらの国が、現在生き残っている3,200頭という野生のトラの個体数を2022年までに倍増させることを約束している。ロシアは2010年後半に、各国首脳を集めたトラサミットを主催する予定であり、そこで宣言が正式に署名される予定だ。
「ロシアは、WWFの『トラ生息国が2022年までに野生のトラの生息数を倍増させる』という目標を後押しするような措置を具体的に打ち出したこととなる」とヴァーヘイジは述べた。
訳者注:
今回のロシアのチョウセンゴヨウ Pinus koraiensis #5の掲載の他に、ボリビアが蝶3種Agrias amydon boliviensis 、Morpho godartii lachaumei 、Prepona praeneste buckleyana およびセンダン科の植物3種、Cedrela fissilis #5 、Cedrela lilloi #5 、Cedrela odorata #5を、 さらにセーシェル共和国がヤシ科のLodoicea maldivica #13 を附属書IIIに掲載した。この掲載は、2010年10月14日より有効となる。
(#5:含まれるのは丸太、挽き材、ベニヤを含めた部分および派生物のみ、#13:仁、胚を含む種子の内側の部分(kernel)とその派生物のみ)
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