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大西洋クロマグロの取引禁止に各国が後押し

2009年07月28日
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フランスとモロッコが大西洋クロマグロの国際取引禁止を支持した。© Brian J Skerry / National Geographic Stock / WWF フランスとモロッコが大西洋クロマグロの国際取引禁止を支持した。© Brian J Skerry / National Geographic Stock / WWF
 

【イタリア、ローマ/フランス、パリ発 2009年7月16日】
 フランスのニコラス・サルコジ大統領は本日、ワシントン条約にこの過剰漁獲されている種の掲載を求める声の高まりに応じ、フランスは絶滅のおそれのある大西洋クロマグロを国際取引の禁止を支持することを表明した。

 サルコジ大統領が、フランスの将来の持続可能な漁業や海に関する政策「Grenelle de la Mer(海洋グルネル)」について国の関係者間の話し合いも終わりに近づいた頃にこう言った。「フランスは大西洋クロマグロを国際取引を禁止するためワシントン条約に掲載することを支持する。」

 サルコジ大統領は、この問題を、より広い持続可能な漁業政策に対するフランスの支持という文脈に位置づけた。「私達の時代は、手遅れになる前に行動に移すことができる最後の世代である。将来よい漁業をおこなっていくためには、私達は今、水産資源を保護しなければいけない」と彼は言った。

 最初に大西洋クロマグロの国際取引禁止の提案を支持する意志を表明したモナコ公国は、この週、分布国である他の国の支持を求めるワシントン条約の公式協議プロセスを開始していた。

  大西洋クロマグロは北大西洋や地中海に分布しているが、この種は大きな問題を抱えている。

 この種の劇的な減少は、漁業船団による膨大な量の過剰漁獲、合法的な割当量を遙かに超える漁獲量、海賊漁業(pirate fishing)、探索機を使った違法な操業、無報告の漁獲、禁漁期における漁業、科学的な助言を無視した管理対策などが原因となっている。これらはすべて、大西洋クロマグロに記録的な値がつく世界中の贅沢な海産物市場の飽くことをしらない食欲に誘発されたのである。

 「ワシントン条約の附属書 I 掲載への適格性の観点では、大西洋クロマグロはどの項目にもチェックマークが入るし、さらにそれ以上といえるだろう」とWWFの種保全プログラムのディレクターであるスーザン・リーバーマン博士は言う。「ワシントン条約の締約国は、象徴的な海産種であり、また商業的に過剰漁獲されたこの種を、みすみす崩壊的な状況から保護し損なえば確実に後悔することになるだろう。締約国は歴史的チャンスを握っているのだ。」

 ワシントン条約は、2010年の3月13日~25日にカタールのドーハにおいて締約国会議が開かれる。しかし会議で検討議題とするためには、附属書改正提案は10月17日までに事務局に提出されていなければならない。

追加情報:
その後、7月17日には英国の水産を担当する政務次官のヒュー・イランカ・デイビスが英国も大西洋クロマグロのワシントン条約の掲載を支持し、7月21日にはドイツの水産を担当する農業・自然・食品品質相のヘルダ・フェルブルグが、また23日にはドイツ環境相のジグマー・ガブリエルも禁止への呼びかけに加わった。


2009年07月28日
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