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【CITES-CoP17】トレーサビリティがサメの掲載施行成功のカギに

2016年10月04日
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クロトガリザメ
©Joi Ito / Creative Commons (CC-BY-2.0)

【南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ発 2016年10月4日】

 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約:CITES)」の附属書 Ⅱ に新たに、4種のサメと9種のエイを掲載することが支持された。

 附属書 Ⅱ への掲載は、その種の国際取引が許可制度により規制されることを意味する。

 クロトガリザメ、オナガザメ類3種、イトマキエイ類9種は、前回の2013年のワシントン条約締約国会議において掲載されたサメやエイの種に加わることとなった。2013年当時、これらの掲載が海洋種の保全にとって歴史的であると歓迎された。今回の締約国会議における国々からの意見は、その施行が主に成功であったことを示唆している。

 「2013年、商業的に漁獲される海洋種のワシントン条約掲載に関して、大きな変化があったが、今回もその流れが変わる兆候はみられなかった。クロトガリザメ、オナガザメ類、イトマキエイ類の附属書 Ⅱ 掲載は、持続可能でない取引に対処するために切望されていた国際協調のための基盤を他のサメとエイの種へも提供することとなる」と、トラフィックの水産プログラムマネージャーであるグレン・サント(Glenn Sant)は述べた。

 掲載種の追加は温かく歓迎されたが、附属書掲載は、これらの種を過剰漁獲から守る解決策のほんの一部に過ぎない。「サメとエイの掲載は保全のための第一歩ではあるが、確実な施行による後ろ盾がない限り、紙の上での保護に終わってしまう」と、サントは述べた。

 ワシントン条約の代表団は、先日、海産製品のトレーサビリティ措置の改善支援を促す文書を承認した。

 「トレーサビリティは、サメとエイの製品の持続可能で合法的な取引の仕組みを強化する上での鍵となるものである。要するに、製品にとトレーサビリティ情報がただし書きで書かれている場合に、その製品が合法で持続可能であるという点について確信があるということだ」と、サントは述べた。

2016年10月04日
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