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【英国、ケンブリッジ発 2007年4月14日】
トラフィックは、『TRAFFIC Recommenations on the proposals to amend the Appendices of CITES(トラフィックの附属書改正提案に対する見解)』 を発表した。
『附属書改正提案に対する見解』は、2007年6月3日~15日にオランダのハーグで開催される第14回ワシントン条約締約国会議に提出されている附属書改正案に対するもので、世界中の野生生物の専門家と長期にわたる協議の末、作成された。IUCNとトラフィックにより、提案それぞれについて徹底的な分析がおこなわれた。
トラフィックの事務局長スティーブン・ブロードは「来たる第14回ワシントン条約会議に先立ち『附属書改正提案に対する見解』を作成できてうれしく思う」と言う。
「トラフィックの『附属書改正提案に対する見解』は現在入手可能である最善の科学的情報に基づいている。わたしたちはIUCN-TRAFFIC Analyses of the Proposals(IUCNとトラフィックによる附属書改正提案の分析)と同様、この『附属書改正提案に対する見解』に自信を持っている。これはワシントン条約の締約国に提供され、各締約国の意思決定の根拠にもなる、最善の保護に関するアドバイスとなっている。」
第14回会議では、海洋問題がめだってとりあげられるだろう。象牙やサイのように常時とりあげられる問題と同様に、サメ類、宝石サンゴ、イセエビ類を附属書に掲載する提案が提出されている。その他、サル、トカゲから植物や木材まで多岐にわたる野生生物にかかわる提案が出ている。
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