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世界野生生物の日

2015年03月03日
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「世界野生生物の日」ロゴ

 1973年3月3日、野生生物の保全のため国際取引を規制するワシントン条約が採択された。国連(国際連合)は、これを記念し、また、美しく多種多様な動植物を称賛するとともに近年深刻化しつつある野生生物犯罪と闘うことの重要性が広く認知されるように、2013年12月に3月3日を「世界野生生物の日」と定めた。

 3万5,000種以上の動植物がワシントン条約の対象として取引が規制されているにもかかわらず、急増しているゾウやサイの密猟や、ウナギ稚魚の密漁・違法持ち出しなど野生生物を巡る環境は、非常に厳しい。野生生物の違法取引は、世界で年間190億ドル(約2兆円)に届く規模と推定され、ドラッグや人身売買などに並ぶ五大違法取引のひとつと言われている。もはや、野生生物のみならず、われわれの安全にも大きく影響する問題として、各国政府が真剣な取り組みを始めている。

 日本でも世界野生生物の日にちなんださまざまなイベントが予定されている。ワシントン条約の管理当局でもある経済産業省は環境省と共催で、3月2日から一週間、同省一階で希少野生動植物種の取引のルールに関する広報・パネル展示をおこなっている。このイベントでは、近年増加しているインターネット商取引に注目し、インターネットを利用した適正な希少野生動植物種の商取引に向けた両省、eコマース(電子商取引)企業およびトラフィックの取り組みをパネルで展示している。経済産業省は、「世界では野生生物の利用が増加している国や地域がある一方で、日本では特に若いインターネット世代の関心の希薄化が懸念されている。こうした中で、ルールに基づく取引により野生生物保護に貢献すべく、関係企業の積極的な協力が得られたことを高く評価する」旨を主催者挨拶で述べた。

 環境省では、取引によって絶滅の脅威にさらされている野生動植物の保護に関する普及啓発を目的としたシンポジウム『希少な生物の保全のために-野生生物の輸入国、日本の責任』を3月21日(祝)に都内で開催する。国際的に希少な種の保全に関する幅広い分野の専門家による講演とパネルディスカッションが予定されている。トラフィックのプログラムオフィサーの松本智美も「野生生物取引 日本と世界の動向」と題した講演をおこない、野生生物の主要輸入国である日本の現状とトラフィックネットワークが収集した最新情報にもとづく国際動向を紹介する。

 港区立エコプラザは、トラフィックと共に2013年から毎年"私たちの暮らしを支える世界の生物多様性"をテーマにした展示を通じて、ワシントン条約を分かり易く伝える活動を実施している。今年は、3月3日~31日まで展示がおこなわれ、会期中にトラフィックによる連動講座も開催される。

 IUCN(国際自然保護連合)によると現在、2万種以上の野生の動植物が絶滅の危機にさらされている(Living Planet Report 2014)という。この状況をもたらしたのがヒトである以上、われわれ全員が野生生物を取り巻く問題を正しく理解し、当事者意識を持って解決の道を探ることが必要と言えよう。


【関連記事】
南アフリカのサイ密猟 2014年は最悪を記録
変化するウナギ取引の動態-フィリピン
各国政府が世界的な野生生物の密猟に対処する断固とした緊急措置を誓う


▼イベントの詳細はこちら
トラフィックによる講座
https://www.wwf.or.jp/join/action/event/2015/03/post_213.html

環境省のサイト:希少な生物の保全のために‐野生生物の輸入国、日本の責任
https://www.env.go.jp/press/100468.html

経済産業省のサイト:ルールを守って取引しましょう!
~希少野生動植物種の取引のルールに関する広報・パネル展示を行います~
http://www.meti.go.jp/press/2014/02/20150227003/20150227003.html

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