ホーム>野生生物ニュース>違法事例・法執行ニュース>タイ:違法野生生物取引と取り締まり能力強化へ貢献したことに対して、トラフィックが政府から表彰される
王立タイ政府が違法取引と闘うために、トラフィックサウスイーストアジアがおこなってきた 技術的な支援が評価され、賞が贈られた。 |
【タイ、バンコク発、2011年9月】
トラフィックサウスイーストアジアは、王立タイ政府が違法な野生生物取引に対抗できるよう技術支援をおこなってきた。現在も継続中のそうした支援が、タイの2つの主要な政府機関から賞に値すると認められた。トラフィックサウスイーストアジアは、2008年から500人を越える現場のスタッフに対するトレーニングなどをおこなってきた。
この賞は、タイの国立公園・野生生物および植物保全局(Department of National Park, Wildlife and Plant Conservation (DNP))の9周年および、王立森林局の115年を記念する式典の中で贈られた。
トラフィックのこの地域における活動の重要な役割のひとつは、政府が、この国の国境検問所や輸送の中心で働く法執行官達に対し違法な野生生物取引を取り締まれるよう能力強化や訓練をおこなうのを手助けすることである。この目的を達成するために、これまで3年半の間に、野生生物取引に特化した13のワークショップや研修コースの実施を支援してきた。
こうしたワークショップ開催によって、法執行官がワシントン条約の方針や手続きに習熟し、隠し持っている野生生物や、偽造許可書を発見したり、あるいは検査や捜索の際にみつけた野生生物の体の部分や製品を識別できるようにするための能力を身につけるのを手助けしてきた。警察、空港警備スタッフ、野生生物や森林を担当する職員および税関職員にとって、もっとも重要なツールのひとつでもある、各国語に訳された使いやすい野生生物種の識別マニュアルシートも作成している。
タイなどこうした地域でトラフィックがおこなうトレーニングや能力強化活動では、捜査や起訴、および違法な野生生物取引の規模や複雑さについて、裁判官や検察官への啓発に関するコースも対象にしている。
さらに、トラフィックは、野生生物の法科学や、講師養成のためのトレーニング、象牙の識別技能などについて、タイの政府機関とともに能力開発やトレーニングコースを開催したり、また野生生物に関する主要な法律の専門的な見直しといったその他の分野においても支援をおこなってきた。
トラフィックの受賞を称え、野生生物・植物保全課の課長(Director of Wildlife and Wild Plant Conservation and Protection Division)のワタナ・ヴェタヤプラシット氏はこう言う。
「DNPや私は、特にトラフィックサウスイーストアジアがコーディネイトを手伝ってくれたトレーニングコースをはじめ、何年にもおよぶ彼らの支援に感謝している。こうしたトレーニングはタイの野生生物を守るために働く法執行官たちにとって非常に価値がある。トラフィックの多大な努力と、生物多様性を守るため取り組む私たちを支援してくれたことに対し、感謝している。」
この賞は、政府機関や企業、NGOから150人が招待された9月18日の式典において、タイ環境省の秘書官サクダ・ノップラシット氏によってトラフィックに手渡された。メコン・プログラムの暫定コーディネーターであったソーマ・ウォーンがトラフィックサウスイーストアジアを代表して賞を受け取った。
「王立タイ政府からこうした賞をいただいたことを誇りに思う。この受賞は、野生生物の違法取引を止めさせるために関係機関と協力し続けるためのよい刺激となる」とトラフィックサウスイーストアジアの地域事務局長のウィリアム・シードラ博士は言う。
トラフィックサウスイーストアジアのトレーニング・能力強化コーディネーターのクレア・ビーストールはこう言う。「もしタイが野生生物犯罪との戦いにさらに力を入れ、密輸者達の先手を打ちたいと考えているのであれば、専門的な能力や知識は極めて重要である。またタイは2013年の次のワシントン条約締約国会議の開催国であることを考えれば、特に重要なことだ。」
日本からもトラフィックを通じ、東・東南アジア生物多様性情報イニシアティブ(ESABII=East and Southeast Asia Biodiversity Information Initiative)の下での日・ASEAN統合基金(JAIF=Japan-ASEAN Integration Fund)および日本の環境省の資金援助によるプロジェクトの一環として、東南アジアのおける法執行活動強化のための「講師養成のためのトレーニング」といったワークショップ開催や識別マニュアルの作成等支援をおこなっている。
関連ニュース:
■ベトナム:野生生物の法執行官たちが違法な取引と闘うためのスキルを磨く
■東南アジアにおける違法な野生生物取引と闘うための法執行能力向上のために
関連ニュース
2012年12月13日
南アフリカとベトナムの両政府は、違法な野生生物の取引への対策を含め、生物多様性の保全に関する2国間の協力を強固にするための覚書に調印した。トラフィックとWWFは、この調印が、近年急激に悪化しているサイの密猟に対抗する上で極めて重要な転機になると見ている。
トラフィックは、違法な犀角の行き先の多くがベトナムであることを示した報告書を今年の8月にリリースしている。
報告書のダウンロードはこちらから(英語)→『The South Africa--Viet Nam Rhino Horn Trade Nexus: A deadly combination of institutional lapses, corrupt wildlife industry professionals and Asian crime syndicates』
©Martin Harvey / WWF-Canon
クリントン国務長官の呼びかけにより 米国政府がキャンペーンを展開
2012年12月03日
クリントン国務長官は12月4日を「野生生物保護の日」に定め、ゾウ、トラ、サイなど絶滅の危機に瀕した野生生物の違法取引を撲滅するための世界的なキャンペーンを展開しています。
2012年11月29日
米国国務長官ヒラリー・クリントンが、野生生物の不正取引を取り上げ、世界規模で影響のある国際問題として、その脅威について言及した。
ⓒWWF
2012年11月13日
フェアワイルド基準の利用が、政府の政策立案者を手助けし、野生植物の持続可能な利用を保証するために、民間部門に働きかけるためのツールとして、生物多様性条約のサイドイベントで取り上げられた。
©TRAFFIC
関連出版物
The Trade in Tortoises and Freshwater Turtles in Jakarta Revisited
発行:TRAFFIC Southeast Asia【2011年8月発行】 著者:Carrie J. Stengel、Chris R. Shepherd、Olivier S. Caillabet 【英語】 24 pp.
Trade in Malagasy Reptiles and Amphibians in Thailand
発行:TRAFFIC Southeast Asia 【2011年6月発行】 著者: Matthew Todd【英語】30 pp.
最新野生生物ニュース
2013年04月26日
日本とロシア 野生生物犯罪の罰則引き上げ
2013年04月03日
野生の種を守る。ビオファ(BioFach)にて:野生の植物調達の持続可能性について産業界が討論
2013年03月27日
ネットオークション上での「取引」とは?