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<ワシントン条約40周年記念シンポジウム>

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【シンポジウム開催のご案内】ワシントン条約の動向と日本への期待
<ワシントン条約40周年記念シンポジウム>

2013年07月30日
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日本は、世界でも有数の野生生物の輸入国であることをご存知ですか?

たくさんの野生生物を世界中の国々から持ち込んでいる日本は、世界の生物多様性の保全に対して大きな影響力を持ち、大きな責任を負っています。

 



上から©Martin Harvey / WWF-Canon、 ©Anton Vorauer / WWF-Canon、 ©naturepl.com / Doug Perrine / WWF-Canon、©Roger Leguen / WWF-Canon

 違法な野生生物取引は、今や世界で年間100億ドルに届く規模と推定され、ドラッグや人身売買などに続き第5の違法取引となっています。中でも、象牙や毛皮などの装飾品や伝統薬などに利用される野生生物の需要がアジア地域で急増し、武装集団や犯罪組織による密猟と違法取引が世界で激増しています。ここ数年におけるゾウやサイの密猟件数は過去最悪とも言われ、2011年にはベトナムに生息するジャワサイが絶滅し、今も世界中の生息地で深刻な状況が続いています。

 ワシントン条約※は、無秩序な取引から種の存続を脅かされる野生生物を守るための国際合意として1973年に採択され、今年で40周年を迎えました。ワシントン条約の枠組みを通して、加盟国が協力して取引を規制することにより、これまで多くの種の絶滅を食い止め、持続可能な野生生物の利用に貢献してきました。一方で、途上国など一部の国や地域では、資金や人材の慢性的な不足から、違法取引に有効な歯止めをかけることができず、上記のような状況を招いています。これまで以上の支援と協力がなければ、絶滅を阻止することが今後さらに難しい状況となってゆきます。

 このような深刻な現状を受け、今、世界中で迅速なアクションが叫ばれています。ここ1年ほどの間に、G8やASEANなどの国際交渉の場での呼びかけや、各国トップからの積極的関与を示す宣言が相次ぎ、アメリカでは今年7月、オバマ大統領が、野生生物犯罪撲滅のための国家戦略の策定と1000万ドルにおよぶ資金援助を宣言しました。また、ワシントン条約と国際刑事警察機構(ICPO-インターポール)、国連、世界銀行、世界税関機構(WCO)をはじめとした国際機関の連携体制も発足し、世界レベルの取り組みが進んでいます。

 今年3月に開催された第16回ワシントン条約締約国会議では、昨今のゾウやサイの危機的状況に加えて、日本にもなじみの深いサメなどの水産種の保全に大きな注目が集まり、フカヒレなどとして取引されるサメ類の取引規制が決定、関係国が実施に取り組むこととなりました。しかし、ワシントン条約における水産種の管理はまだ歴史が浅く、未到の課題をクリアするには各国の協力が不可欠となっています。

 ワシントン条約が直面する課題に取り組むためには、国際社会のさらなる協力が必須です。野生生物の大量輸入国、かつ、一大漁業国・水産資源消費国である日本が果たすべき役割は大きく、日本の積極的関与が国際社会からも期待されています。今回トラフィックは、ワシントン条約40周年記念と条約事務局長ジョン・スキャンロン氏の来日に合わせて、「ワシントン条約の動向と日本への期待」をテーマにシンポジウムを開催し、これらの重要課題に対する国内の啓発と国際協力を促進するとともに、日本がどのように貢献していくべきなのかを考えます。

※ワシントン条約:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:CITES

ワシントン条約の動向と日本への期待
<ワシントン条約40周年記念シンポジウム>

日時 2013年8月21日(水) 14:0013:30受付開始) ~ 17:45
会場
東京大学 弥生講堂一条ホール
東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内 (東京メトロ南北線 東大前駅徒歩1分)

参加費 無料
定員 300人
参加方法 「シンポジウム申込」と明記し、①お名前、②ご連絡先(EメールまたはFAX番号)、③所属を記載し、メールまたはFAXにてお申し込みください。

※定員になり次第受付を終了いたします。
※撮影等の取材をご希望の方は下記までご連絡ください。
お申し込み・
お問い合わせ先
トラフィック イーストアジア ジャパン
FAX:03-3769-1717
Eメール:traffic@trafficj.org

〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 日本生命赤羽橋ビル6階
TEL:03-3769-1716
※ご記入いただいた個人情報は、シンポジウムの運営管理及びこの取り組みに関するご意見をお伺いする等の問い合わせのためにのみ使用いたします。ご記入は任意ですが、必要な情報の記入がない場合はシンポジウムに関するご連絡やお問い合わせが出来ないことがございます。個人情報の利用目的の通知、開示、訂正、追加または削除、利用停止、消去及び第三者提供停止などのお問い合わせは個人情報保護係(privacy@wwf.or.jp、Tel: 03-3769-1719)にて承ります。 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン 個人情報保護管理者(事務局長) ★上記についてご同意いただいた上で個人情報をご記入ください。
主催 トラフィック イーストアジア ジャパン(WWFジャパン)
後援 外務省

プログラム
 【都合により講演者・プログラムの内容が変更になることがあります】  ※講演者敬称略
<英語の発表者には逐次通訳がつきます>
オープニング
来賓挨拶
 北川 知克

外務省挨拶
 杉中 淳
衆議院議員 自民党政調環境部会長


外務省 国際協力局地球環境課 課長
基調講演
ジョン・スキャンロン
ワシントン条約事務局長
2010年5月より、事務局長に就任。
法律を専門とし、国際機関およびオーストラリア国内にて、環境関連の政策部門の主任や法律分野のアドバイザーの経験を持つ。その功績により、2011年、オーストラリアの勲章を受章。
第1部:野生生物取引の国際動向と日本
      ◆国際動向と日本の責任および民間の取り組み
      ◆ワシントン条約による貿易管理と国内流通規制について
 藤稿 亜矢子
「国際動向とNGOの取り組み」

 小林 健一
「CITES貿易管理における現状について」

 荒牧 まりさ
「種の保存法による国内の流通規制について」
トラフィック イーストアジア ジャパン 代表


経済産業省 貿易経済協力局貿易管理部
 野生動植物貿易審査室 課長補佐


環境省 自然環境局野生生物課 取引監視専門官


第2部:責任ある水産種の管理のために(サメを事例として)
      ◆責任あるサメの管理への取り組みと課題
      ◆民間の持続可能な水産業の取り組みの紹介
      ◆パネルディスカッション:責任あるサメの管理を目指して
 グレン・サント
「責任ある海洋資源の利用
 -サメを事例に」

 太田 愼吾
「サメの保存管理に関する日本政府の取り組み」

 石村 学志
「"持続的"サメ漁業をめざして
 -レジリアンスを持った地域産業育成の必要性」

 齋藤 徹夫
「気仙沼のサメ漁業」
トラフィック インターナショナル
 海洋プログラムリーダー

水産庁 増殖推進部漁場資源課 生態系保全室長


北海道大学
 サステイナビリティ学教育研究センター 特任助教


気仙沼遠洋漁業協同組合 代表理事組合長

パネルディスカッション
ファシリテーター:山内 愛子(WWFジャパン 水産プロジェクトリーダー)

最終更新日:2013年8月9日



 シンポジウムのご案内チラシ(A4版2面)

http://www.trafficj.org/TRAFFICsymposium.pdf



◆日本の野生生物取引に関する報告書◆

「私たちの暮らしを支える世界の生物多様性-日本の野生生物取引のいま」

◆関連ニュース記事◆
■オバマ大統領 野生生物犯罪対策に1,000万ドルを約束
http://www.trafficj.org/press/smuggling/1000.html

■野生生物取引に関する世界的な会議 堅い決意をもって終了
http://www.trafficj.org/press/cites/n130314news.html

◆タイ政府が象牙の取引を終了することを宣言
https://www.wwf.or.jp/activities/2013/03/1122105.html

◆ヒラリー・クリントン 野生生物の不正取引について言及
http://www.trafficj.org/press/smuggling/n121108news.html

2013年07月30日
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©Steve Morello / WWF

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