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ヒラリー・クリントン 野生生物の不正取引について言及

2012年11月29日
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  米国国務長官ヒラリー・クリントンは、野生生物の不正取引を世界規模で影響のある国際問題として取り上げた。©WWF

 

【米国、ワシントン発 2012年11月8日】

 米国国務長官ヒラリー・クリントンは、世界規模で影響のある国際問題として野生生物の不正取引を取り上げ、その脅威について言及した。

  「野生生物の不正取引は、世界中の人々の安全と繁栄に深刻な影響をもたらしています」と、クリントン氏は、自らが主催した『野生生物の不正取引と保全:対抗措置への呼びかけ"Wildlife Trafficking and Conservation: A Call to Action"』と題されたイベントの、満席の会場で語った。

  「われわれが根絶しようとしている犯罪ネットワークと同じレベルの強固なパートナーシップをもって、野生生物の不正取引に対処する必要があります。野生生物の不正取引について、人々を啓蒙するために、政府、市民社会、ビジネス界、科学者、活動家の協力が必要なのです」

  国務長官の言葉に続き、トラフィックノースアメリカの代表であるクロフォード・アランが、20年以上携わってきた野生生物の国際違法取引の取り組みについて語った。

  彼は、主にアジアでの犀角と象牙の需要に応じた、アフリカの記録的なサイとゾウの密猟の憂慮すべき最近の増加について語った。

  「野生生物犯罪における類をみないほどの急増は、過去10年間にわたる違法な野生生物取引の構造と実行の根本的な変化を映し出している」

  「野生生物犯罪は、比較的小さなリスクで高い見返りをもたらす"ぼろもうけ"として見られている。そのため、組織だった犯罪ネットワークが、ますます複雑化することは驚くにあたらない」

  「トラフィックやWWF、WildAidのようなNGOは、単独で脅威となるように立ち向かうことはできない。政府を巻き込む必要がある」

  「この点において、トラフィックは、組織化された野生生物犯罪の増大する脅威に対処するための国際的な取り組みの最前線に米国政府は身を置く、というクリントン国務長官が示した強力な表明を心から歓迎する」と、アランは言う。

  すでに米国政府はこうした表明に沿って『野生生物の不正取引に関する分析と対応措置の優先順位設定(Wildlife Trafficking Response, Assessment and Priority Setting:W-TRAPS)プログラム』に米国国際開発庁(USAID)を通じて、多大な助成金を提供することを発表した。W-TRAPSは、IUCNとトラフィックがリードする国際的で多様な利害関係者によるプログラムで、地域間での野生生物取引が減少するための情報提供や取り組み支援を実施している。  

2012年11月29日
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