ホーム野生生物ニュース動物ニュース>違法なセンザンコウ取引 ミャンマーで急増

野生生物ニュース

違法なセンザンコウ取引 ミャンマーで急増

2016年02月20日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
モンラで売られているセンザンコウ
© Chris R Shepherd / TRAFFIC

【マレーシア、ペタリンジャヤ発 2015年12月31日】

 この週に出版された学術誌『Global Ecology and Conservation』に掲載されたトラフィック共著の調査報告書によると、センザンコウの生体、肉およびうろこの違法取引がミャンマーのモンラ(中東部シャン州にある町)で急増しているという。

 2006~2015年にかけて著者による4度の訪問中、モンラの朝市や野生生物のトロフィー・ショップ(剥製など狩猟戦利品を販売する店)、野生生物の肉を提供するレストランの調査は、42袋分のうろこ・32体分の皮・16におよぶ胎児や部位を含んだワイン・27体のセンザンコウ全形が公然と販売されていることを確認した。この町がセンザンコウの主要取引拠点であることを明らかに示している。

 モンラで販売目的に供されているセンザンコウの原産地は、ミャンマーを含む近隣諸国からと見られ、さらにはアフリカ産という可能性もある‐というのは、アフリカを原産とする象牙、犀角やカバの歯などがすべて、近年この市場で確認されているからである。

 ミャンマーは、センザンコウやその他の野生生物の密輸の重要な経由地となっている。モンラは中国と国境を接するシャン州に位置し、センザンコウの需要が高い中国市場を満たすためだけの拠点である。

 
モンラで売られているセンザンコウのうろこ
© Chris R Shepherd / TRAFFIC

 ミャンマー国内での29件の押収と近隣国(タイ、インド、中国)からの23件の押収という2010~2014年の記録は、ミャンマーがセンザンコウの供給源であること、または、他国が供給源でミャンマーが経由地であることを示唆し、合わせて4339kgのうろこと518体のセンザンコウが押収されていたと、今回の調査により明らかにされた。

 センザンコウおよびその派生物の取引は、ミャンマーの法律で禁じられている。さらに、アジアのセンザンコウはすべてワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES)附属書IIに輸出割当ゼロとして掲載されており、国際取引は認められていない。

 「継続的な需要と野生生物犯罪ネットワークの蔓延が、アジアのセンザンコウ4種すべてを絶滅寸前にまで追い込んでいる」と、トラフィックの東南アジア地域代表クリス・シェファード(Chris R. Shepherd)は述べ、「越境取引を大幅に減らし、この貴重な生物たちを永遠に失ってしまうことを防ぐため、アジア諸国の政府間の協力が必要とされている」と語った。

 トラッフィクは、ミャンマー政府に違法なセンザンコウ取引に立ち向かい、野生生物の悪質な越境取引を拭い去るために、地方当局と連携することを強く求める。

  『Pangolin trade in the Mong La wildlife market and the role of Myanmar in the smuggling of pangolins into China(モンラ野生生物市場でのセンザンコウ取引と中国へのセンザンコウ密輸におけるミャンマーの役割)』は、Global Ecology and Conservation誌上にオープンアクセスで掲載されている。


【関連記事】

センザンコウに対する違法取引の脅威

センザンコウの違法取引(中国)

ミャンマー国境地帯の違法取引(モンラ市場)

2016年02月20日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

160603Ivory-Malaysia.jpg

米国 新たな象牙取引規制を発表

2016年06月03日

象牙の国内取引における新たな規制が、米国魚類野生生物局(USFWS)により確定された。規制は、国内の象牙取引において「ほぼ全面禁止」を実施するために、象牙の商業取引の特定の分野への禁止事項を追加する。

© TRAFFIC

160425SettingSuns.jpg

日本の犀角と象牙の市場縮小に関する考察 報告書発表―その歴史と課題

2016年04月25日

トラフィックは、日本における犀角と象牙の市場縮小に寄与した要因を探り出すため、日本の野生生物取引の歴史に光を当てた新たな報告書を発表した。

150620India-dogs.jpg

インド、野生生物保護のための探知犬を倍増

2016年04月14日

インド、ボパールで、野生生物犯罪抑止のスキルを身につけた14頭の探知犬の卒業パレードがおこなわれた。インド国内の野生生物探知犬の頭数は倍となった。探知犬は、トラやヒョウの骨・皮や熊胆などの野生生物製品を嗅ぎ分ける訓練がされており、現地に配属されたあとは他の野生生物の密輸の捜査もおこなう。

© Shaleen Attre / TRAFFIC

160303WWD.jpg

世界野生生物の日(3月3日)

2016年02月10日

2016年「世界野生生物の日」のテーマをワシントン条約事務局は、"The future of wildlife is in our hands(野生生物の未来はあなたの手の中に)"とした。特に象牙を目的とした密猟が止まず、将来が危ぶまれるアフリカゾウおよびアジアゾウにも焦点をあて"The future of elephants is in our hands(ゾウの未来はあなたの手の中に)"というテーマをも掲げている。

関連出版物

16_Setting_Suns.jpg

SETTING SUNS:The Historical Decline of Ivory and Rhino Horn Markets in Japan

発行:トラフィック イーストアジア ジャパン【2016年4月】 著者:北出智美、藤稿亜矢子

16_Trading_Faces.jpg

Trading Faces: A Rapid Assessment on the use of Facebook to Trade Wildlife in Peninsular Malaysia

発行:TRAFFIC, Malaysia【2016年3月】 著者:Kanitha Krishnasamy, Sarah Stoner【英語】44pp

pagetop