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トラフィックインド:動画『Don't buy trouble(トラブルを買わないで)』で消費者に注意を喚起

2008年09月19日
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【インド、ニューデリー発 2008年8月26日】

 トラフィックインドは、消費者・観光客向けに野生生物の違法な製品購入についての動画『Don't buy trouble(トラブルを買わないで)』を発表した。現在、トラフィックインドでは、違法な野生生物取引に関する意識向上キャンペーン『Buyers Beware(買う人は気をつけて)』を実施している。この5分間の映像は、そのキャンペーンの最新の活動として、急激に増加しているインドの希少動植物の違法取引についての一端を紹介している。


▲違法な野生生物製品を買わないよう観光客に注意するトラフィックインドの動画 (英語)

 この動画は、有名な野生生物の映画製作者であるヒマンシュ・マルホトラ氏とWWFインドにより製作され、空港などの観光客が集まりやすい場所での放映が期待されている。

 インドは多くのカリスマ的な野生生物が多く生息している国であり、生物多様性が豊かな国である。また、野生生物保護に関する法律の整備が進んでいる数少ない国でもある。しかし、最近の相次ぐ野生生物の違法取引は、主に他国における野生生物の製品への需要を満たすためにおこなわれており、インドの野生動植物に対して大きな損害を与えている。

 トラフィックインドの新しい動画 『Don't buy trouble』では、密猟の画像とともに、トラ、ヒョウ、サイ、ゾウなどカリスマ的な野生生物の違法取引、また、マングース、爬虫類、ウミガメ、鳥、霊長類、チョウやその他の昆虫、ジャコウジカ、薬用植物などあまり知られていない動植物の違法取引にも焦点をあてている。

 さらに、目を背けたくなるような、多くの種の違法取引の現実を紹介することで、国内および国外のさまざまな野生生物保護法について関心を集め、視聴者にそうした取引に伴う法的結果について知らせている。

 インド国内、また外国人観光客の両方に向けて製作されたこの動画は、違法な野生生物取引をあおっているのは密猟者や取引業者だけが煽っているではなく、野生生物の製品を購入する消費者も当事者であるとのメッセージを伝えている。もし、有罪となった場合、消費者は法律を知らなかったでは許されず、多額の罰金か最高7年間の懲役が科せられる。

 トラフィックインドの責任者、サミール・シンハは「野生生物の違法取引において、違法に購入する消費者もまた取引業者・密猟者と同様、共犯者となるのです」と語った。

 さらに、「近年、違法な取引は国際的かつ組織的な犯罪となりました。それに対しては、国際的なレベル、高いレベルでの協力と、草の根レベルの活動との双方で歯止めをかけていくしかありません。」

「そして、草の根レベルの活動において重要なのは、消費者個人に対して違法な野生生物製品を購入する危険性に対して敏感になってもらうことです。この動画はトラフィックインドの消費者向上キャンペーンのひとつで、購入者が「トラブル」を買ってしまう危険性について注意を喚起することを目的としています。」

 2007年10月、トラフィックインドは消費者の意識向上キャンペーンを 『Are you committing a Crime? Think before you buy (犯罪に加担していないですか?買う前によく考えて)』というパンフレットの発表とともに開始した。そして、2008年2月には以下の4種類のポスターを製作、そして、今回の最新の動画が発表された。

2008年09月19日
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