この五味子の実のような薬用植物の持続可能な利用に関する、WWF、トラフィック、IUCNのプロジェクトが権威ある賞を受賞した。© TRAFFIC East Asia |
【2011年10月】
中国長江上流域エコリージョンで、薬用植物の持続可能な利用を目指してWWF、トラフィック、IUCNが共同プロジェクトを実施している。このプロジェクトが中国環境保護省、EU-中国生物多様性プログラム(EU-China Biodiversity Programme (ECBP))、中国商務部、国連開発計画(UNDP)から「Outstanding Contribution Award(優れた貢献を表する賞)」を贈られた。
WWF主導の本プロジェクト「長江上流域の生物多様性豊かな景観における伝統的な薬用植物の持続可能な管理」は、EUが資金的支援をおこなっているECBPの一環である。
2007年に四川省、甘粛省、陜西省で始まった本プロジェクトでは、現地の薬用植物生産者へ、伝統的な中国の薬用植物を持続可能な形で野生から採取するために必要な技能を紹介、導入している。またこのプロジェクトでは、国際市場での取引につなげることも重視している。
四川での実証プロジェクトでは、野生の薬用植物の持続可能な採集が、どのようにして製品の販売へとつながり、市場性を強化することができるかを実際に示した。野生からの採取については、WWF、IUCN、トラフィック、フェアワイルド・ファウンデーションやその他パートナーが協力して開発したフェアワイルド基準に綿密に照らし合わせて、おこなわれた。
陜西省寧陝(ねいせん)県の秦嶺(ちんりん)長春醸造所は、2008年から持続可能な方法で採集されたナンゴミシSchisandra sphenantheraの実を購入し、果実酒を造っている。一方2009年には地域コミュニティの伝統中国医薬の共同組合が、持続可能な方法で調達したナンゴミシの実 500kg を米国を拠点とする企業に供給するという契約を結んだ。これは、国際取引のバイヤーに、持続可能な方法で調達された輸出できる品質の薬用植物を供給する協定を結んだ最初の事例となった。
それ以来、持続可能な方法で調達された植物に対する需要は伸び続けており、2010年、2011年には数トン単位での注文があった。中国四川省の地域協同組合から製品を供給する5年の協定が結ばれた。
「パンダに配慮した」薬用植物製品として、中国のジャイアントパンダの生息地保護を確保しながらの持続可能な形で採取された製品の市場性についても調べられた。これは、WWFドイツの支援によって2004年にトラフィックとWWFがおこなった取引に関する調査が発端となり始められたものである。
「持続可能な植物利用のガイドラインを倫理的な市場と結びつけることは実際に可能である。それを、トラフィックがWWFおよびパートナーと共同でおこなった、中国の薬用植物供給の持続可能性を推進するためのプロジェクトが実証した。「Outstanding Contribution Award」が贈られたことで、その成功が示されたのです」とトラフィックの中国プログラムのリーダーである石建兵(ジャンビン・シ)は言う。
購入者を薬用植物の持続可能な生産者とつなぐ、この中国プロジェクトの過去18ヵ月の取り組みから得られた経験は、トラフィックが新たにおこなっている、最終消費国である日本とインドの生産者グループをつなげる活動へと生かされることとなる。
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