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日本では活動が始まったばかりのフェアワイルドについて、より多くの人に理解し、協力してもらえるようフェアワイルドに関する特集コーナーを開設した。
野生の薬用・アロマティック植物は、世界中の人々の健康や生計を支えている。こうした植物の中には野生から採集されているものも少なくないが、このことは最終消費地である日本ではあまり知られていない。野生の植物の存続を脅かすことなく、植物生育地の植物採集者から、加工、流通、販売に至るまでかかわるすべての人々が公平に利益を得られることを目的としたのがフェアワイルド基準である。
フェアワイルド基準は、トラフィックやWWF、IUCNをはじめ多くの専門家のアドバイスや協議により策定されている。現在はフェアワイルド・ファウンデーションがフェアワイルド基準を管理しており、この基準にのっとった認証制度も運営している。トラフィックは、世界中でこのフェアワイルドを推進しており、これまで日本でも、認知を広げるためのセミナー、検討会の開催や、日本の産業界による採集の現地視察訪問など、薬用・アロマティック植物の一大消費国として様々な取り組みをおこなっている。
今回開設された特集ページは、「フェアワイルドとは?」「フェアワイルドの対象」などの基礎情報をはじめ、世界各国で実施されている持続可能な採集プロジェクトの様子や、「日本の野生植物利用」「フェアワイルドに参加するには?」など、フェアワイルドに関する様々な疑問に答える内容となっている。
このコーナーを見て、少しでも多くの人々がフェアワイルドの考え方に共感し、野生植物の持続可能な利用を目指すフェアワイルドへ参加いただけることを期待している。
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パンフレット『野生植物とわたしたちの暮らしを支えるフェアワイルド』完成!
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【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-
2017年09月25日
2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。
©トラフィック
2017年07月18日
2017年7月4日、香港税関は葵涌(クワイチョン)でコンテナに隠された7.2tの密輸象牙を押収した。年に2万頭を超えるアフリカゾウが密猟されている中で起きた今回の摘発は、過去30年で最大級の規模と見られており、象牙の違法取引をめぐる国際的な組織犯罪の深刻さを物語っている。こうした一連の野生生物の違法取引に問題に対し、各国政府は今、強く連携した取り組みを進めようとしている。合法的な象牙の国内市場を持つ日本にも、この流れに参加する積極的な姿勢と取り組みが強く求められている。
©Keiko Tsunoda
2017年07月10日
楽天株式会社が楽天市場での象牙製品の販売行為を今後認めないことが明らかになった。現在、日本国内で合法的に販売されている象牙製品は、近年のアフリカゾウの密猟とは因果関係がないとされている。しかし、トラフィックの新たな調査でも、急成長を続けるeコマースを通じた象牙取引については、法律の整備が追いつかず、対応しきれない状況が続いていることが明らかになっており、トラフィックとWWFジャパンも厳しい措置を求めていた。日本のe-コマース企業の判断としては、大規模な今回の楽天の決定が、他企業にもより厳しい対応を迫るものとなることが期待される。
©Steve Morello / WWF
2017年06月22日
2017年6月20日に象牙18本を違法取引した容疑で、都内の古物商と従業員、その顧客ら27人が書類送検されるという大規模な事件が報道された。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内の違法取引が意味するところとは何か。国内市場管理の問題点と、トラフィックとWWFジャパンが提言する国内違法象牙ゼロに向けた課題を紐解く。
@Martin Harvey / WWF
関連出版物
Hard to Bear: An Assessment of Trade in Bear Bile and Gall Bladder in Malaysia
発行:TRAFFIC Southeast Asia【2015年6月】 著者:Lee, S.L., Burgess, E.A., Chng, S.C.L.【英語】50pp
Traditional and Wild: Revitalizing traditions of sustainable wild plant harvesting in Central Europe
発行:TRAFFIC and WWF Hungary【2014年4月発行】 著者:Kristina Rodina, Anastasiya Timoshyna, Andreja Smolej,Darijan Krpan, Elena Zupanc,Éva Németh,Gabriela Ruzickova,Gergő Gáspár, József Szántai,Malgorzta Draganik, Péter Radácsi,Stanislav Novák, Szilárd Szegedi【英語】40pp