
ホーム>野生生物ニュース>違法事例・法執行ニュース>ロシア:クマの掌(てのひら)1.2 t を探知犬が嗅ぎわける
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【2011年6月、ロシア、ブラゴヴェシチェンスク発】
中国と国境を接するロシアのブラゴヴェシチェンスクで、特別に訓練された探知犬のおかげで、「空(から)の」大型トラックから1000個を越える数のヒグマの掌が発見された。
また、ヘラジカの鼻先(吻)26個、オオヤマネコの生皮4枚、マンモスの牙5本も共にみつかった。
これは、税関局の探知犬プログラムのおかげで発見された主な野生生物の密輸事件のあったこの地域で、最近で2番目に大きな事件である。このプログラムは、トラフィックと協力してWWFロシアが支援をおこなっている。
最近の事件として、探知犬の一頭が妙な行動を始めたことから担当官が疑いを持ち、中国国籍のトラックの運転手もそわそわしだした。担当官は車を詳しく調べ、野生生物の体の部分が入っている秘密の格納部分をみつけた。
この積荷は、ロシアで摘発されたクマの掌の押収事件としては最大のものだと考えられている。品物は押収され、運転手は尋問のため移送された。彼は、ロシア連邦の刑法の下、刑事罰に問われると予測される。
ヒグマやオオヤマネコ類(スペインオオヤマネコ Lynx pardinus は附属書 I )は共に国際取引を規制しているワシントン条約の附属書 II に掲載されている。
クマの掌とクマノイは、中国に運ぶためにハンターから購入されたもののようだ。中国ではこれらは珍味や効能のある薬だと考えられている。
トラフィックヨーロッパの事務局長のロブ・パリージョーンズは、「これは、国境をまたぐ野生生物の密輸を防止するため、手助けとなる探知犬プログラムの重要性を裏付ける多くの事件のうちのひとつである。」
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