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インド:野生生物製品をかぎ分ける探知犬が任務を開始

2010年08月30日
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100729India-sniffer-dogs.jpg トラフィックインドを通じて訓練された5頭の探知犬が森林局とともにインド全土で活動を開始した。
© TRAFFIC India

【インド、ニューデリー発 2010年7月29日】
 7月29日、違法な野生生物製品をかぎ分けるよう特別に訓練された5頭のイヌがインドのマディヤ・プラデシュ州、マハラシュトラ州とジャルカンド州の森林局(Forest Department)の隊に加わった。

 このイヌたちは、トラの骨や皮、ヒョウの骨や皮、熊の胆嚢といった野生生物製品が隠されているのを見つけ出すよう訓練されている。

 イヌと10人のハンドラーは、ボパールにある第23特別武装大部隊(23rd Battalion of Special Armed Forces)・ドッグトレーニングセンターでの9ヵ月にわたる厳しい訓練を修め、ようやく卒業式を迎えた。

 トラフィックインドが資金援助および資金援助および支援し、イヌの調達や訓練がおこなわれた。

 トラフィックインドの探知犬訓練プログラムは第2段階に入った。ハリヤナ州にあるインド・チベット国境警察部隊(ITBP)の国立ドッグトレーニングセンター(National Dog Training Centre)で訓練を受けた2頭の犬が、すでにハリヤナ州とウッタラカンド州の森林局に配備されている。

 トラフィックは、極東ロシアとヨーロッパを含むいくつかの国々で、密輸された野生生物の部分を探し出す探知犬プログラムの立ち上げを支援している。

 「違法な野生生物取引は、インドの多くの種の存続を脅かす、組織化された多国籍な活動へと進化している」とトラフィックインドのリーダー、サミール・シンハは言う。

 「増大するこの脅威を抑えるためには、長期的な抑止力として犯罪摘発の実績を持つ探知犬の使用を含めて、利用できるもっとも実践的な執行活動を展開することが必要である。」

 「森林局の支援や対応には圧倒されている。特に第23特別武装大部隊の貢献には感謝している」とさらに彼は言う。

 第23部隊のインド警察指揮官(Indian Police Services Commandant )のアビティヤ・ドゥベイ氏は「違法な野生生物取引は深刻な問題であり、阻止する必要がある。犯罪を発見するための犬の訓練に関する私たちの専門知識が、野生生物犯罪との闘いに貢献することになるのは喜ばしいことだ」とコメントした。

 マディヤ・プラデシュ州の森林保存管理主任(Principal Chief Conservator of Forests)であり、主任野生生物監視員であるH. S. パブロ博士はさらに言う。「今日、インドのトラはこれまでにないほど保護を必要としている。保護強化のためのいかなる努力も、役立つことがわかるだろう。わたしたちは探知犬のプログラムが、他の国々で違法な野生生物取引を抑えられることを証明し、さらにインドでの法執行活動を強化することになると確信している。」

 


■詳細に関するお問い合わせ Khalid Pasha:Tel. +91-9810797349

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