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-違法な木材取引・野生生物犯罪対策にむけて

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トラフィック、エクアドル軍を研修
-違法な木材取引・野生生物犯罪対策にむけて

2015年07月01日
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(上)木材の輸送書類を分析する陸軍職員
(下) Orellana軍用基地にて、職員に指導するトラフィック南アメリカ地域代表 ベルナルド・オーティス
©TRAFFIC

【エクアドル、キト発 2015年6月】

 トラフィックは、木材・漁業・その他野生生物に関連した犯罪と闘うエクアドル軍の影響力を高めるため、陸・海・空軍の職員300人に対しておこなわれた戦略的研修を支援した。

 この研修は、昨年の環境省と防衛省の協力合意の締結を受け、省庁間の先進的取り組みの一環として、環境省の要望により実現した。EcoFondo(エクアドルの民間環境基金)がこの研修の資金提供をした。

 3日間の集中講義は6カ所の重要な軍用基地で実施され、参加者は、生態系に対する社会・経済システムの依存関係や、野生生物犯罪の深刻さとその影響、執行戦略強化のための手法への理解を深めた。さらに野生生物犯罪を取り扱う実践体験に加え、他の環境関係機関をいかに支援していくか学んだ。

 国家情報局(The National Intelligence Secretariat)は、エクアドルの重要な生物多様性のホットスポットにおける違法な木材操業を防止する取り組み強化のため、環境省とともに、軍の諜報員と連携した。

 地域・地方レベルで活動の効果が上がることを目的とした計画が、研修中にも提案された。さらに、参加している両省庁の職員間での協力を円滑にさせるための緊急電話回線が敷かれた。

 大きな成果は、日常の軍の業務の中で野生生物犯罪の問題が組み込まれたことである。

 もうひとつの成果は、上級職員のためのオンラインコースがトラフィックによって構築されたことである。

 環境安全保障、国家安全保障優先事項の要素として生物多様性、および環境法と軍事能力に関する専門コンテンツを含む3つのモジュールからなる。

 この研修は環境大臣によって6月の初旬に始動し、30人の特別に研修を受けた指導員によって、ESPE(エクアドルの軍大学)で実施されることになっている。

 「2つの主要な省庁より、野生生物犯罪対策における、この戦略的構想を促進する手助けを、トラフィックが委任されることは、大変名誉であるとともに責任を感じている」と、トラフィック南アメリカ地域代表Bernardo Ortiz(ベルナルド・オーティス)は述べた。

 「野生生物犯罪へ対処する共同計画を実施していくための明確な役割と責任を示したビジョンを確保するために、省庁間の協調は必須である」

 「この先駆的試みは、環境教育キャンペーン、あるいは戦略的な執行活動だけにとどまらず、ラテンアメリカにおける違法な野生生物取引を撲滅させる経常的な取り組みとして動き出した」。

2015年07月01日
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