
ホーム>野生生物ニュース>違法事例・法執行ニュース>タイ:トラ、ヒョウ、アジアゴールデンキャットの体の部分が押収される
![]() |
【タイ、バンコク発 2012年5月16日】
タイ警察はバンコクのカンナーヤーオのある家から、トラPanthera tigris 2頭、ヒョウPanthera pardus 1頭、アジアゴールデンキャットPardofelis temminckii 1頭の死体を押収した。
王立タイ警察の犯罪抑圧部局(the Crime Suppression Division) および自然資源・環境犯罪抑圧部局(the Natural Resources and Environmental Crime Suppression Division)の職員によって、本件でタイ人とベトナム人が逮捕された。トラ、ヒョウ、ゴールデンキャットはすべてタイでは保護されており、ワシントン条約では附属書 I に掲載されている。
これら動物は発見された際、ぶつ切りにされ、家の冷蔵庫に詰め込まれていたが、当初はマレーシアで捕獲されマレーシアと国境を接するタイ南部ソンクラー県のサダオ(Sadao)を通って運ばれてきたと考えられていた。
![]() |
初動捜査において、これらの動物は中国に向けてノーンカーイを経由してきたものだと明らかになった。ノーンカーイはタイとラオスの国境近くの町である。ノーンカーイから中国に運ばれる前に、メコン川を越えてラオスに向けて運ばれるはずだった。
警察によれば、容疑者は、タイの南部からバンコクに運ぶのに8,000バーツ(約2万円)支払われたという。
押収された動物は野生生物救護病院(Wildlife First Aid Clinic)に引き渡され、DNA分析のためにサンプルが採取されることになる。
「これらの出所を立証することを目指してあらゆるDNA分析がおこなわれるはずだ。確実にどこから来たものかを知ることが重要になる」とトラフィックサウスイーストアジアの地域事務局長のウィリアム・シャイードラ博士は指摘する。
「ただ死んだ動物を押収するだけでは、トラやその他の絶滅のおそれのある動物たちがこの先、野生生物の密輸によって失われていくのを防ぐことはできない。私たちはさらに、タイ当局が、密輸者たちが使った輸送ルートについての徹底的な究明をおこない、また近隣諸国と協力していくことを期待している。」
■詳細に関するお問い合わせはこちら
Richard Thomas, +44 752 6646216. richard.thomas@traffic.org
関連ニュース
【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-
2017年09月25日
2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。
©トラフィック
国内での象牙取引で違法事例再び
古物商ら12人が書類送検されるも不起訴に
2017年08月30日
2017年8月25日に象牙9本を違法に取引した容疑で、東京都内の古物商と従業員、その顧客ら12人が書類送検されるという事件が報道された。これは、6月20日に同じく18本の象牙を違法に取引した業者が書類送検された事件に続き、2017年で2件目の摘発となる。さらに29日には、不起訴処分となったことが明らかになった。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内で相次ぐ違法な象牙の取引。国内市場管理の問題点があらためて浮き彫りになっている。
©Martin Harvey / WWF
【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-
2017年08月23日
2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。
© Michel Terrettaz / WWF
2017年08月08日
2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。
©Martin Harvey / WWF
関連出版物
発効:トラフィック【2017年8月】 著者:北出智美【日本語】Briefing Paper
Chi Initiative BRIEFING PAPER World Rhino Day 2017
発行:Chi Initiative【2017年9月】 著者:TRAFFIC【英語】24pp