ホーム>野生生物ニュース>違法事例・法執行ニュース>国内の大手象牙印材販売会社による違法取引:日本の重い責任
©Martin Harvey / WWF-Canon |
続報:その後の6月10日には、会社役員男性ら4人から登録票のない象牙を買ったとして、すでに逮捕・起訴されていた大手象牙印材販売会社「タカイチ」の元会社役員が種の保存法違反(譲り受け)の容疑で再逮捕された。また譲り渡した会社役員ら4人も種の保存法違反(譲り渡し)で逮捕された。 会社役員ら4人は2010年3~6月頃に、登録票がない象牙47本を計約1,700万円で「タカイチ」元役員に譲り渡した疑いがもたれている。
警視庁は2011年5月11日に、象牙の生牙の国内取引の際に必要な登録をせずに売買したとして、大手象牙印材販売会社「タカイチ」の元会社役員や同社取締役であるその長男および古物商ら2人を、種の保存法違反(譲り渡し等の禁止など)の疑いで逮捕した。
種の保存法で象牙の全形を保持した牙を譲渡・販売する際には環境省への登録が必要である。購入した側の「タカイチ」の元会社役員らは、2010年3月から6月の間、10回にわたって、茨城県の古物商ら2人から無登録の象牙21本を計500万円で購入した疑いがもたれている。警察は同社の倉庫にあった象牙68本を押収し余罪を調べているという。
また、売り手側の茨城県の古物商は、2010年3月23日頃~6月22日頃の間に4回にわたって宅配便にて発送し、象牙9本を計約240万円で譲り渡したとされる。また和歌山県の会社員は2010年3月28日頃~6月7日頃の間に、象牙約12本を6回にわたって宅配便で発送または持ち込み、計約270万円で譲り渡したとされる。
報じられたところによれば、タカイチは2008年6月~2009年6月までの1年間で、約2億8千万円の象牙を仕入れていた。また4人は約3年前から約6,700万円分の象牙を売買していた。容疑者の元社長は、「規制で年々入手しづらくなったので、在庫にして印材にしたかった」と供述しており、「無登録の象牙を売買したことは間違いない」と容疑を認めている。
2009年に輸入された象牙©トラフィックイーストアジアジャパン |
アフリカゾウやアジアゾウはワシントン条約で附属書Ⅰに掲載され、こうしたゾウの牙である象牙はワシントン条約の下、国際的な商業取引が禁止されている。ただし、野生個体群の数が安定しているとされる南部アフリカ諸国(ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカ)の個体群が附属書Ⅱに掲載され、過去2回、一定の条件のもと一回限り(one-off)の販売が認められた。ワシントン条約の下おこなわれたこの販売に際しては、国内規制を適切におこなっていると判断された国だけが購入を許可されている。日本は1998年にこの輸入国として一回限りの輸入を認められ、約50 t 輸入した。また2008年には、中国とともに再度この相手国として認められ、約40 t を輸入している。
さらに、象牙の取引が密猟・密輸を推進する要因とならないよう監視するために、ワシントン条約の下、ETIS(ゾウ取引情報システム)とMIKE(ゾウ違法捕殺監視システム)というシステムが導入された。日本国内においては、象牙の取引は種の保存法によって規制されている。
各国関係者らが、持続可能な利用の道を模索し真摯に取り組む中、象牙取引規制の基本である「登録」の手続きに違反した行為は国内取引の信頼の根幹をゆるがすものである。しかも、その重責を十分に認識しているはずの大手取扱業者によって違反行為がおこなわれたことは極めて問題であり、今後の捜査によっては国際的な課題になる。
合法的な輸入が認められている国としての日本の責任は重い。日本の状況次第では、南部アフリカ諸国における保全活動そのものを失速させる可能性もある。違法な象牙を流通させない、種の保存法を遵守するなど、関係者すべてが自らを厳しく律しなければならない。
関連情報:
『象牙について知っていただきたいこと』
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© TRAFFIC Southeast Asia
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