ホーム野生生物ニュース違法事例・法執行ニュース>トラの剥製・毛皮のネット取引で容疑者9人が書類送検

野生生物ニュース

トラの剥製・毛皮のネット取引で容疑者9人が書類送検

2010年10月15日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

 警視庁生活環境課は2010年10月1日、種の保存法で必要とされている登録票の交付をうけることなく、トラの剥製や毛皮を売買するなどした種の保存法違反(譲渡、陳列)の疑いで、古物業者2社や購入者らを、書類送検した。

 書類送検されたのは、広島県呉市の古物商「メディアイースト」と広島市安佐北区「ロイヤルジャパン」の2社と同社社長や購入者ら計9人である。メディアイースト社は、2008年6月から2010年1月にかけてロイヤル社などから購入したトラの剥製(体長1.65cm)1体、子供のトラの剥製2体(いずれも30cm)と毛皮1枚(180cm)を、インターネットオークションを通じて愛媛県東温市や大阪市の客4人に計21万円(1万1000円~10万円)で販売するなどした疑いがもたれている。メディア社の社長は「トラが規制品だとは知らなかった。国内流通品は大丈夫だと安易に考えていた」と供述したという。

 警視庁によれば、全員が容疑を認めているという。剥製や毛皮を国内に持ち込んだ人物は特定できていない。

(東京新聞 2010年10月2日、共同通信 2010年10月1日、中日新聞 2010年10月1日、毎日新聞 2010年10月1日、朝日新聞 2010年10月1日、産経新聞 2010年10月2日http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101002-00000100-san-soci(2010年10月5日閲覧)、2010年10月1 日時事通信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101001-00000017-jijp-soci.view-000(2010年10月5日閲覧)

 トラPanthera tigrisはワシントン条約の附属書 I に掲載されており、国際的な商業取引は禁止されている。また国内においても、種の保存法の国際希少野生動植物種に指定されており、国内での取引は原則的に禁止されている。例え合法的に入手されたものであっても、環境省から登録票の交付を受けたものでなければ取引することはできない。

→(外部リンク)環境省のウエブサイト「種の保存法の解説

トラの特集サイト

このニュースの記事は、日本が関係する野生生物取引に関する事件が国内外で起きていることについて知らせしているものです。その内容については外部の情報源からとりあげており、トラフィックはその内容の確実性、また情報源のページへのアクセスの継続性については責任を負わないことをご了承ください。
2010年10月15日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170830ivory.jpg

国内での象牙取引で違法事例再び
古物商ら12人が書類送検されるも不起訴に

2017年08月30日

2017年8月25日に象牙9本を違法に取引した容疑で、東京都内の古物商と従業員、その顧客ら12人が書類送検されるという事件が報道された。これは、6月20日に同じく18本の象牙を違法に取引した業者が書類送検された事件に続き、2017年で2件目の摘発となる。さらに29日には、不起訴処分となったことが明らかになった。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内で相次ぐ違法な象牙の取引。国内市場管理の問題点があらためて浮き彫りになっている。

©Martin Harvey / WWF

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

関連出版物

17_Online_Ivory_Trade_in_Japan_JP.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引 アップデート

発効:トラフィック【2017年8月】 著者:北出智美【日本語】Briefing Paper

17_Briefing_CHI-World_Rhino_Day.jpg

Chi Initiative BRIEFING PAPER World Rhino Day 2017

発行:Chi Initiative【2017年9月】 著者:TRAFFIC【英語】24pp