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不備のあるメルバウの取引記録

2009年03月17日
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メルバウは床材として人気のある素材であるが、合法性と供給の持続可能性に懸念がある。© Greenpeace China

メルバウは床材として人気のある素材であるが、合法性と供給の持続可能性に懸念がある。
© Greenpeace China

   

【クアラルンプール、マレーシア発 2009年3月12日】
ずさんな記録の保持と記録管理と違法伐採により、メルバウの過剰な採取に関する懸念が高まっていることがトラフィックの新しいレポートで明らかになった。

 メルバウは熱帯産の硬木で、ヨーロッパやその他各地で床材として人気がある。2005年には、およそ30,000立法メートルのメルバウの木材がEUに輸入され、その半分はインドネシアから直接、残りはマレーシアから、そして、加工後に中国から輸入されていた。

 インドネシアはメルバウを含む丸太の輸出を2002年に禁止しており、輸出申告書は発行されない。つまり、それ以降のすべてのメルバウの輸出は違法になりうる。

「メルバウの床材としての需要はEUやその他各地でこれからも続き、メルバウの供給の持続可能性については懸念がある。これは特に、報告されたような生産国での無差別な伐採行為によるものである」と、トラフィックサウスイーストアジアの森林取引オフィサーでありこのレポートの著者であるトン・ペイ・シンはコメントしている。

 このレポート『A review of trade in Merbau from major range States(主な生育国からのメルバウ取引の検討)』では、インドネシア、パプアニューギニア、マレーシアによるメルバウの統計と取引記録を分析し、その輸出の大部分は中国向け、次いでEU向けであることを示した。

 インドネシアとパプアニューギニアは、メルバウの丸太の輸出について不完全な取引データしか持っておらず、異なる情報源から得たデータは整合性のないものもあった。

 メルバウの最大の買い手である中国は、輸出データを持っているが原産国の輸出統計とは対応できていない。レポートでは、このようなくい違いについて「よく見られ、簡単に解決できないもの」と説明している。

 インドネシアのパプア州と西パプア州で採取された多くのメルバウの丸太は、島内のインドネシア領内での取引向けであり、これらは監視や管理がされていないことが、この調査で明らかになった。2002年、メルバウはパプア州の丸太の全生産量の半分を占めていた(251,000立法メートル)。
パプアニューギニアでは、メルバウは2000年から2005年の間に輸出された全木材製品のうち6%から11%を占めていた(1500万から200万立法メートル)。

 この検討ではまた、生産国の森林の目録(inventories)が、欠如しているか廃れてしまっており、そのため現在のメルバウの生育数を見積もることさえも困難にしていることを示した。

 「インドネシア政府は違法伐採を防止するために努力してきたが、持続可能でない違法な取引は、適正な森林管理計画と適正な規制と効果的な監視がない状態でメルバウの丸太や、製品のための伐採がある限り続くだろう」とトンは言う。

 この調査では、木材採取のライセンス制と管理による効果的な規制と、よりよいデータ収集システムについて提言している。また、ワシントン条約の附属書に載せることで、より正確なデータ収集を可能にし、よりよいモニタリングや法執行、国際取引の規制を可能にすると提案している。

レポート(英語)のダウンロードはこちらから
『A review of trade in Merbau from major range States(主な生育国からのメルバウ取引の検討)』(PDF, 1 MB)

**************************************************

■詳細に関するお問い合わせ

Elizabeth John, Senior Communications Officer, TRAFFIC Southeast Asia, Tel: +603 7880 3940, Email: jlizzjohn@yahoo.com

Tong Pei Sin, Regional Forest Trade Officer, TRAFFIC Southeast Asia. Email: tongps@myjaring.net, Tel: (603) 7880 3940.

Richard Thomas, Communications Co-ordinator, TRAFFIC. Tel: +44 1223 279068, mob + 44 752 6646 216. E-mail: richard.thomas@traffic.org

2009年03月17日
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