ホーム野生生物ニュース林産物ニュース>ITTOとトラフィック、覚書に調印

野生生物ニュース

ITTOとトラフィック、覚書に調印

2016年10月26日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
2つの機関の覚書調印時のトラフィックのSteven Broad(左)
ITTOのSteven Johnson(右)<br> ©TRAFFIC

【南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ発 2016年10月】

 ITTO(国際熱帯木材機関)とトラフィックは、熱帯林資源の保全、持続的な管理および利用の分野、並びに違法な野生生物取引と森林に関連するその他の犯罪との闘いにおいて、共通する目的を追求するために、覚書に調印した。

 覚書は、南アフリカのヨハネスブルグで開催された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」の第17回締約国会議の間に、ITTOの担当役員であるSteven Johnson氏とトラフィックの事務局長であるスティーブン・ブロード(Steven Broad)の間で締結された。第17回締約国会議では、木材に関連する多数の提案や作業文書が議論、交渉された。

 ITTOは、ワシントン条約やその他の機関とのパートナーシップを通し、木材取引が持続可能であり、持続可能な形で管理された森林から由来するものであることを徹底する上で、重要な役割を担っている。Johnson氏は「トラフィックとの覚書は、取引の持続可能性と森林管理を妨げる森林犯罪や野生生物犯罪へのITTOの取り組みに新たな次元をもたらすものである」と、述べた。

 ITTOは1983年国際熱帯木材協定(ITTA)に基づいて設立され、その後、1994年ITTAと2006年ITTAに基づいて運営されている政府間機関である。持続可能な形で管理され、合法的に伐採された森林に由来する熱帯木材の国際取引の拡大および多様化を推進している。

 トラフィックは、生物多様性の保全および持続可能な発展における野生動植物の取引に関し、世界的に活動を行っている非政府機関である。

 覚書は、ITTOとトラフィックの共通する目的の達成に向け、両者の協力体制を正式のものとし、集約し、さらなる強化を目指したものである。

 「木材は、圧倒的に、世界的に最も価値のある野生由来の商品である。トラフィックとITTOは、覚書を通し、この価値ある自然資源の保全と持続的な利用における協力を強化するよう努める」と、トラフィックの事務局長であるスティーブン・ブロード(Steven Broad)は述べた。

2016年10月26日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

170710_elephant.jpg

楽天がオンライン店舗での象牙製品販売を停止

2017年07月10日

楽天株式会社が楽天市場での象牙製品の販売行為を今後認めないことが明らかになった。現在、日本国内で合法的に販売されている象牙製品は、近年のアフリカゾウの密猟とは因果関係がないとされている。しかし、トラフィックの新たな調査でも、急成長を続けるeコマースを通じた象牙取引については、法律の整備が追いつかず、対応しきれない状況が続いていることが明らかになっており、トラフィックとWWFジャパンも厳しい措置を求めていた。日本のe-コマース企業の判断としては、大規模な今回の楽天の決定が、他企業にもより厳しい対応を迫るものとなることが期待される。

©Steve Morello / WWF

関連出版物

Timber-trade-East-Southern-Africa201702.jpg

Overview of the Tmber Trade in East and Southern Africa: National Perspectives and Regional Trade Linkages

発行:TRAFFIC【2017年2月】 著者:Kahana Lukumbuzya and Cassian Sianga【英語】79pp

16_Timber_Island_Madagascar-1.jpg

TIMBER ISLAND The Rosewood and Ebony Trade of Madagascar

発行:TRAFFIC【2016年11月】 著者:Cynthia Ratsimbazafy, David J. Newton and Stéphane Ringuet【英語】144pp