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キハダの危うい未来-インド洋まぐろ類委員会(IOTC)会合開催

2016年05月31日
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フィリピンで販売されているキハダ
© Gregg Yan / WWF-Philippines

【フランス、レユニオン発 2016年5月】

 インド洋まぐろ類委員会(Indian Ocean Tuna Commission:IOTC)の重要な会合がレユニオンで開催され、30を超える締約国によって、共有資源であるマグロの管理を改善する保全措置を採択するかどうかの議論がおこなわれる。

 IOTCは、どの国の管轄権にも属さない水域である公海における漁業を管理する地域漁業管理機関(Regional Fisheries Management Organizations:RFMOs)である。

 特に懸念されているのは、昨年、IOTCの科学委員会によって資源状態が緑から赤に変更されたインド洋のキハダの個体数である。科学委員会は、近年のような高水準での漁業が続く場合には資源が枯渇する可能性があると警告した。

 「この会合は、最も注目を集める種のひとつであるキハダをIOTCが率先して保全し、過剰漁獲に終止符を打ち、大幅に減少した資源の再建に向けた対策を講じる機会である」と、トラフィックの水産プログラムリーダーであるグレン・サント(Glenn Sant)は述べた。

 「今、十分な保全措置を導入することは、短期的には痛みを伴う可能性があるが、長期的な利益のためである。これらの採択は、責任ある漁業国すべての利益となる」。

 この会合はまた、IOTC締約国に対し、モニタリング手段を導入する機会を提供するものである。モニタリング手段の導入により、漁業資源の変化の兆候に対し、早急な対応が可能となり、したがって、損失が生じた後に極端な対策が必要となる事態を回避することができる。

 「ことわざにあるように"時を得た一針は九針を省く"、このことが最も当てはまるのが責任ある漁業管理の慣行である」と、WWFのインド洋マグロプログラムマネージャーのDr Wetjens Dimmlichは述べた。

 「また、前向きな兆候もある。健全なマグロ資源なしでは、ビジネスが立ち行かなくなるということを理解する水産業の幅広いセクターからより多くの支持が得られるようになってきている」。

 「IOTC締約国は、各々の違いを脇に置き、効果的な漁業管理の欠如が続くことによって地域社会の生計や産業のための共有マグロ資源への相互依存が危機にさらされないように努力すべきである」。

 なお、キハダだけが不確実な未来を持つ種ではない。この水域のサメとエイの個体数もまた過剰漁獲により深刻な危機にさらされている。これらの種の保全の促進のために、IOTC会合の間に、数々の重要な対策が審議されることになっている。

 その中には、IOTCの水域において漁獲されたサメを、ヒレがついたままの状態で水揚げすることを義務付ける提案がある。この措置により、漁獲された種の識別が可能となり、漁獲数の正確なデータの収集が可能となる。これらは漁業管理にとって不可欠の必須条件である。

 同様に、サメを漁獲禁止としたIOTC締約国が、生じたあらゆる死亡数について引き続き報告をすることも重要である。

 「これは責任ある報告の問題である。情報が正確であればあるほど、漁業を持続的に管理することが容易となる」と、サントは述べた。

 この会合は、サメの保全に関する覚書への署名を通して、「移動性野生動物の種の保全に関する条約(ボン条約:Convention on the Conservation of Migratory Species)」への支持を打ち立てるための機会も提供している。加えて、代表団は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)」の附属書に現在掲載されているサメおよびエイの種の条約施行について、IOTC締約国を支援するための措置を講じるべきである。各国は、ワシントン条約の規定に基づき、それらの種の国際取引を可能にする許可書を発行しうる前に、漁獲が持続可能であり、合法であることを証明する必要がある。

 「インド洋での漁業と生計のために漁業に頼る人々の明るい未来を守るために、すべての人が協力し合う必要がある」と、サントは述べた。

2016年05月31日
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