あなたの食卓の魚は、合法的に漁獲されたものといえますか?
近年、クロマグロをはじめとするマグロ類やサケ、サメなどの水産資源をめぐるIUU(違法・無報告・無規制)漁業の存在が、深刻な問題として国際的な関心を集めています。さらに、日本国内では、産地偽装や安全性に関する問題が度重なり、食の安全と信頼に対する消費者意識の高まりをみせています。このような背景から、食品の安全性確保を目的にトレーサビリティが注目されています。
しかし、生産履歴を記録・伝達するトレーサビリティ・システムは、食品の安全性に寄与するだけではなく、IUU漁業による水産物の流通を確認できる有効な手段ともなりえます。IUU漁業対策のひとつとして、漁獲証明書にもとづいた輸入手続きと生産から消費まで追跡/遡及できるトレーサビリティを法整備化する取り組みが国際的に始まっています。 ところが、日本では、水産物のトレーサビリティは法律で義務付けられていないため、生産者・事業者の自主的な取り組みに任されているのが現状です。つまり、現在の仕組みでは、私達の食卓の水産物が合法的に生産されたものかを確かめることはできません。水産資源の持続可能な利用を実現させるためにも、世界有数の消費国である日本には、合法的に漁獲されていない水産物を輸入させない仕組みづくりに早急に取り組む責務があります。
このような背景をふまえ、本セミナーでは、すでに水産物の漁獲証明制度とトレーサビリティを義務化している海外の事例と国内の自主的な取り組みを示しながら、今後、トレーサビリティの確保に向けて、日本の行政や企業はどのように取り組むべきなのかを考えます。
水産資源の持続可能な利用について世界が注目する今、トレーサビリティのもうひとつの可能性について議論する場に、是非ご参加ください。みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。
【お知らせ】遠方のため参加できない方のために、セミナーをUstreamでライブ中継いたします。質疑応答を除く講演者の講演をご覧いただけます。
★たくさんの皆様にお申し込みいただきありがとうございます。定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきます。
残念ながら、お申し込みいただけなかった場合は、ライブ中継をご覧いただけたらと思います。
日時 | 2011年2月16日(水曜日) 13:00(開場12:30)〜18:30 ★Ustreamのライブ中継:13:00~16:50頃 →Ustreamのサイトへ | |
場所 | 京都大学東京オフィス (JR品川駅より徒歩5分) 〒108-6027 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm | |
参加費 | 無料 | |
講演者 (逐次通訳あり) | Mr. Melcom Pohl Block Mr. Richard Parsons 中村宣之氏 Ms. Joyce Wu 山内 愛子 高橋 そよ (内容は変更される場合もあります) | |
参加申し込み | どなたでもご参加いただけます。人数把握のため参加ご希望の方は事前にお申込みください。Eメール又はFAXで、ご氏名・所属・メールアドレスを下記までお知らせください。 ★たくさんの皆様にお申し込みいただきありがとうございます。定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきます。※ | |
定員 | 50人 | |
お問い合わせ ・申込先 | トラフィックイーストアジアジャパン (担当者 水産プログラムオフィサー 高橋 そよ) 〒105-0014 東京都港区芝3-1-14日本生命赤羽橋ビル6階 WWFジャパン内 TEL: 03-3769-1716 FAX: 03-3769-1304 traffic@trafficj.org | |
主催 | トラフィック イーストアジア ジャパン |
リチャード・パーソンズ氏 英国のEUのIUU規則の施行および2008年から違法漁業に関する幅広い政策を担当。1993年からDEFRAに勤めている。以降、主に農業・漁業・食糧に関連する幅広い問題に関する仕事をおこなってきた。 | |
メルコム・ポール・ブロック氏 水揚げ・海洋に関連する活動、特に魚の加工施設や港およびナミビアの排他的経済水域の外で操業する外国漁船やナミビアの港で水揚げされる漁獲などの、全般的な監視・管理を担当し、漁業分野で18年の実務・管理経験がある。ナミビアの水産分野の政策や法律の成立にも携わり、数多くの地域漁業管理機関(RFMOs)や国際漁業問題に関連する地域・国際ワークショップ、セミナー、会議に数多く出席。 | |
ジョイス・ウー 5年間のトラフィック調査オフィサーとしての活躍を経て、2003年より水産資源、象牙、トラ、薬用動植物などの野生生物の保全と取引関連の分野を担当。台湾政府・国内業界・国際的な管理機関と、トラフィックネットワークの密接な連携を築き、特に東アジアにおけるワシントン条約の施行支援をおこなってきた。 |
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