ホーム野生生物ニュース水産物ニュース>【トラフィックセミナーご案内】「水産資源の持続可能な利用とトレーサビリティの確保にむけて:国際動向と日本の取り組み」

野生生物ニュース

【トラフィックセミナーご案内】「水産資源の持続可能な利用とトレーサビリティの確保にむけて:国際動向と日本の取り組み」

2010年12月25日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
 
101108saiyou.jpg

 あなたの食卓の魚は、合法的に漁獲されたものといえますか?

 近年、クロマグロをはじめとするマグロ類やサケ、サメなどの水産資源をめぐるIUU(違法・無報告・無規制)漁業の存在が、深刻な問題として国際的な関心を集めています。さらに、日本国内では、産地偽装や安全性に関する問題が度重なり、食の安全と信頼に対する消費者意識の高まりをみせています。このような背景から、食品の安全性確保を目的にトレーサビリティが注目されています。

 しかし、生産履歴を記録・伝達するトレーサビリティ・システムは、食品の安全性に寄与するだけではなく、IUU漁業による水産物の流通を確認できる有効な手段ともなりえます。IUU漁業対策のひとつとして、漁獲証明書にもとづいた輸入手続きと生産から消費まで追跡/遡及できるトレーサビリティを法整備化する取り組みが国際的に始まっています。 ところが、日本では、水産物のトレーサビリティは法律で義務付けられていないため、生産者・事業者の自主的な取り組みに任されているのが現状です。つまり、現在の仕組みでは、私達の食卓の水産物が合法的に生産されたものかを確かめることはできません。水産資源の持続可能な利用を実現させるためにも、世界有数の消費国である日本には、合法的に漁獲されていない水産物を輸入させない仕組みづくりに早急に取り組む責務があります。

 このような背景をふまえ、本セミナーでは、すでに水産物の漁獲証明制度とトレーサビリティを義務化している海外の事例と国内の自主的な取り組みを示しながら、今後、トレーサビリティの確保に向けて、日本の行政や企業はどのように取り組むべきなのかを考えます。

 水産資源の持続可能な利用について世界が注目する今、トレーサビリティのもうひとつの可能性について議論する場に、是非ご参加ください。みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。

【お知らせ】遠方のため参加できない方のために、セミナーをUstreamでライブ中継いたします。質疑応答を除く講演者の講演をご覧いただけます。

★たくさんの皆様にお申し込みいただきありがとうございます。定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきます。

残念ながら、お申し込みいただけなかった場合は、ライブ中継をご覧いただけたらと思います。

日時

2011年2月16日(水曜日) 13:00(開場12:30)〜18:30

★Ustreamのライブ中継:13:00~16:50頃  →Ustreamのサイトへ

場所 京都大学東京オフィス (JR品川駅より徒歩5分)
〒108-6027 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/tokyo-office/about/access.htm
参加費 無料

講演者

(逐次通訳あり)

Mr. Melcom Pohl Block
ナミビア漁業海洋資源省
「持続可能な漁業とナミビアの挑戦」 

Mr. Richard Parsons
英国環境食糧農林省 (Defra)
「英国におけるEUのIUU規則の施行状況と水産物の国際取引」 

中村宣之氏
有限会社鰻ト商店 専務取締役 
「ウナギ養殖とトレーサビリティ:生産情報公表JAS(養殖)認定取得事例」

Ms. Joyce Wu
トラフィック イーストアジア 台北
「EUのIUU規則と中国の水産物国際取引」

山内  愛子
WWFジャパン 海洋プログラム 水産担当
食卓から船までーWWFが水産物トレーサビリティに期待する役割ー

高橋 そよ
トラフィック イーストアジア ジャパン 水産プログラムオフィサー
「なぜ今、水産物のトレーサビリティが必要なのか:トレーサビリティ関連法とその課題」

(内容は変更される場合もあります)

参加申し込み どなたでもご参加いただけます。人数把握のため参加ご希望の方は事前にお申込みください。Eメール又はFAXで、ご氏名・所属・メールアドレスを下記までお知らせください。
★たくさんの皆様にお申し込みいただきありがとうございます。定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきます。
定員 50人
お問い合わせ
・申込先
トラフィックイーストアジアジャパン
(担当者 水産プログラムオフィサー 高橋 そよ)
 
〒105-0014 東京都港区芝3-1-14日本生命赤羽橋ビル6階 WWFジャパン内
TEL: 03-3769-1716  FAX: 03-3769-1304 traffic@trafficj.org
主催 トラフィック イーストアジア ジャパン

講演者(一部)紹介

110216seminar_Richard.jpg

リチャード・パーソンズ氏
 英国環境・食糧・地方開発省(DEFRA)
 国際サステナブル海洋・水産チーム(International Sustainable Marine and Fisheries Team)
 のチームリーダー

 英国のEUのIUU規則の施行および2008年から違法漁業に関する幅広い政策を担当。1993年からDEFRAに勤めている。以降、主に農業・漁業・食糧に関連する幅広い問題に関する仕事をおこなってきた。

110216seminar_Melcom.jpg

メルコム・ポール・ブロック氏
 ナミビア漁業・水産資源省(Ministry of Fisheries and Marine Resources)
 管理漁業監督官(Control Fisheries Inspector)

 水揚げ・海洋に関連する活動、特に魚の加工施設や港およびナミビアの排他的経済水域の外で操業する外国漁船やナミビアの港で水揚げされる漁獲などの、全般的な監視・管理を担当し、漁業分野で18年の実務・管理経験がある。ナミビアの水産分野の政策や法律の成立にも携わり、数多くの地域漁業管理機関(RFMOs)や国際漁業問題に関連する地域・国際ワークショップ、セミナー、会議に数多く出席。

110216seminar_JW.jpg

ジョイス・ウー
 トラフィック イーストアジア 台北 
 プログラムオフィサー

5年間のトラフィック調査オフィサーとしての活躍を経て、2003年より水産資源、象牙、トラ、薬用動植物などの野生生物の保全と取引関連の分野を担当。台湾政府・国内業界・国際的な管理機関と、トラフィックネットワークの密接な連携を築き、特に東アジアにおけるワシントン条約の施行支援をおこなってきた。

※ご記入いただいた個人情報は、イベントの運営管理及びこの取り組みに関するご意見をお伺いする等の問い合わせのためにのみ使用いたします。ご記入は任意ですが、必要な情報の記入がない場合はセミナーに関するご連絡やお問い合わせが出来ないことがございます。個人情報の利用目的の通知、開示、訂正、追加または削除、利用停止、消去及び第三者提供停止などのお問い合わせは個人情報保護係(privacy@wwf.or.jp、Tel: 03-3769-1719)にて承ります。
 財団法人世界自然保護基金ジャパン 個人情報保護管理者(事務局長)
★上記についてご同意いただいた上で個人情報をご記入ください。

2010年12月25日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

20170715c.jpg

香港で史上最大級7.2tの密輸象牙を押収

2017年07月18日

2017年7月4日、香港税関は葵涌(クワイチョン)でコンテナに隠された7.2tの密輸象牙を押収した。年に2万頭を超えるアフリカゾウが密猟されている中で起きた今回の摘発は、過去30年で最大級の規模と見られており、象牙の違法取引をめぐる国際的な組織犯罪の深刻さを物語っている。こうした一連の野生生物の違法取引に問題に対し、各国政府は今、強く連携した取り組みを進めようとしている。合法的な象牙の国内市場を持つ日本にも、この流れに参加する積極的な姿勢と取り組みが強く求められている。

©Keiko Tsunoda

関連出版物

17_SBT_Market_in_China.jpg

The Southern Bluefin Tuna Market in China

発行:TRAFFIC Hong Kong【2017年6月】 著者:Joyce Wu【英語】50pp

17_The_Shark_and_Ray_Trade_in_Singapore.jpg

The Shark and Ray Trade in Singapore

発行:TRAFFIC,Malaysia【2017年5月】 著者:Boon Pei Ya【英語】59pp