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【CITES-CoP17】ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案に対するトラフィックの見解が完成

2016年09月21日
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サビトマトガエルは、附属書Ⅱへの掲載が提案されている。
© R.Isotti, A.Cambone / Homo Ambiens / WWF

トラフィックによる第17回ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案に対する見解の日本語翻訳版が完成した。
「トラフィックの見解(Recommendations)」(日本語翻訳版)

【英国、ケンブリッジ発 2016年8月9日】

 トラフィックは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES(ワシントン条約)」の附属書の掲載種を改正する提案に対する見解を発表した。

 国際取引のための過剰な捕獲から種を保護するため、種はワシントン条約の3つの附属書(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)のうちのひとつに掲載される。附属書Ⅰへの掲載は商業的な国際取引の禁止を意味するが、附属書Ⅱへの掲載では、厳格な管理措置の下での商業的な国際取引は認められる。また、附属書Ⅲは、取引量の監視のために協力を求める国によって使われるものである。

 これらの掲載の変更は、ワシントン条約の各締約国会議において、締約国によって提案という形で提出される。次の第17回締約国会議は、来月南アフリカ共和国で始まる。そこでは、附属書改正に向けた60以上の提案が、第17回締約国会議に出席するとみられる180以上の国の政府の代表によって議論され、決定がなされる。

 その種がどの附属書に位置づけられるべきかを決定するためには、ワシントン条約で採択された一連の生物学的基準および、取引基準が使われる。1980年代後半以降、IUCNとトラフィックは、共同で、提案がこれらの基準を満たしているか否かを判断するために、すべての提案の綿密な分析を行っている。

 これらのIUCNとトラフィックによる第17回締約国会議の附属書改正提案の分析が先月完成し、これらを基にした各提案に対するトラフィックの見解が完成した。この見解は、ワシントン条約の下での種の規制措置に関して提案されている変更が、結局、その種の保全にとって最善の利益となるのか、予想されるリスクに対してふさわしい対応となるのか、という根本的な質問に対する回答を試みたものである。

 第17回締約国会議の提案に対するトラフィックの見解の全リストは、結論に至るまでにトラフィックが採ったアプローチの紹介とともに、ウェブサイトでの閲覧またはPDFでのダウンロードが可能となっている。


第17回ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案に対するトラフィックの見解(英語版):
「トラフィックの見解(Recommendations)」
「トラフィックの見解(Recommendations)」(日本語翻訳版)
日本語による会議情報 → http://www.trafficj.org/cites-cop17.html

2016年09月21日
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