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【イベント開催のご案内】トム・ミリケン来日講演「アフリカゾウとサイ-密猟の危機を知る」

2014年09月24日
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 日本もかつては象牙や犀角(サイカク)の 消費国として多大な影響を与えたアフリカゾウやサイが、近年再び、深刻な密猟の危機にさらされています。講演では、長年にわたりゾウ とサイの違法取引の専門家として活動してきたトラフィックのトム・ミリケン氏を迎え、現在の課題と日本の関わりにつき解説します。

 




上から:
©Martin Harvey/WWF-Canon
©James Morgan/WWF-Canon
©TRAFFIC

 わたしたちの暮らしは、多くの野生動植物の恩恵を受けて成り立っています。薬の原料となる植物から、ペットとして取引される爬虫類や小型哺乳類まで、野生生物の利用目的は様々ですが、中には、その需要を満たすために密猟/密輸といった犯罪行為が行われることもあり、野生生物の存続だけでなく、地域住民の安全までも脅かす深刻な問題となっています。

 違法な野生生物取引は、世界で年間190億ドル(約2兆円)に届く規模と推定され、ドラッグや人身売買などに並ぶ五大違法取引の一つとされています。特に、ここ数年のゾウやサイの密猟/密輸件数は過去最悪とも言われ、世界レベルでの対策が進んでいます。ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)・インターポール(国際刑事警察機構)・国連薬物犯罪事務所・世界銀行・世界税関機構などの国際機関の連携体制が発足したことをはじめ、今年に入ってからは、米国による野生生物犯罪撲滅のための国家戦略の策定や、日本を含む関係国が違法取引撲滅に向けた決意を宣言した「野生生物の違法取引に関するロンドン会議」の開催など、取組みが更に加速しています。

 日本は、野生生物の一大消費国として、世界の生物多様性の保全に対して影響力を持ち、大きな責任を負っています。歴史を振り返えると、かつては日本も象牙や犀角(サイカク)を大量に輸入し、野生のゾウやサイに多大な影響を与えていました。ワシントン条約で輸入が禁止されて以来、日本は、象牙の国内市場の管理を進め、薬の原料として用いられていた犀角については代替成分への切り替えをおこなうなど、需要の削減に成功してきました。このような日本の経験は、今、違法取引の問題を抱えるアジア諸国をはじめ世界の関係各国から注目されています。

 今回トラフィックは、ワシントン条約の専門家として長年ゾウやサイの問題に携わり、日本が象牙需要のピークを迎えていた1980年代に、日本におけるワシントン条約の施行改善のため約10年にわたり東京を拠点に活動していたトム・ミリケン氏を迎えて、このような国際問題の本質を国内に伝える場を設定しました。

 象牙の合法市場を有する日本は、世界的に見ても数少ない国として注目されており、その果たすべき責任は大きく、関係者へのタイムリーな情報提供の機会となることを期待しています。また、広く一般の方々に、世界と日本をつなぐ包括的な情報を発信し、国内の啓発と国際協力を促進するとともに、日本がどのように貢献していくべきなのかを考えます。

アフリカゾウとサイ-密猟の危機を知る
~私たちの暮らしを支える世界の生物多様性~

日時 2014年10月7日(火) 14:0013:30受付開始) ~ 16:30
会場
港区立エコプラザ
東京都港区浜松町1-13-1
(JR線「浜松町駅」北口より徒歩4分 大江戸線「大門駅」B1出口より徒歩3分)
http://minato-ecoplaza.net/facility/access

参加費 無料
参加方法 「講演申込」と明記し、①お名前(フリガナ)、②ご連絡先(EメールまたはFAX番号)、③所属を記載し、メールまたはFAXにて2014年10月6日までにお申し込みください。

※撮影等の取材をご希望の方は下記までご連絡ください。
お申し込み・
お問い合わせ先
トラフィック イーストアジア ジャパン
FAX:03-3769-1717
Eメール:TEASjapan@traffic.org

〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 日本生命赤羽橋ビル6階
TEL:03-3769-1716
※ご記入いただいた個人情報は、講演の運営管理及びこの取り組みに関するご意見をお伺いする等の問い合わせのためにのみ使用いたします。ご記入は任意ですが、必要な情報の記入がない場合は講演に関するご連絡やお問い合わせが出来ないことがございます。個人情報の利用目的の通知、開示、訂正、追加または削除、利用停止、消去及び第三者提供停止などのお問い合わせは個人情報保護係(privacy@wwf.or.jp、Tel: 03-3769-1719)にて承ります。 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン 個人情報保護管理者(事務局長) ★上記についてご同意いただいた上で個人情報をご記入ください。
主催 トラフィック イーストアジア ジャパン
共催 港区立エコプラザ

講演者
トム・ミリケン

トラフィック インターナショナル
ゾウ・サイ プログラムリーダー

トラフィックイーストアジアジャパンが設立された1982年に事務局長(当時)として就任し、東京を拠点に10年にわたり日本のワシントン条約の施行に関わる活動を率いた。具体的には、日本の関連国内法体制の改善に向け、市場調査にもとづく提言や情報発信、政府や業界関係者への働きかけ、違法取引削減のための一般に向けた普及啓発などに取り組んだ。1991年からトラフィック東・南アフリカ事務所新設のためマラウイに渡り、以来アフリカを拠点に国際的に活動している。中でも、ゾウとサイの違法取引問題の専門家として知られ、ワシントン条約のもとトラフィックが運用を担う「ゾウ取引情報システム (The Elephant Trade Information System:ETIS)」の開発に携わり、現在も責任者として、データベースの管理と条約への定期的報告を統率している。また、IUCN(国際自然保護連合)の種の保存委員会・アフリカゾウ専門家グループ(IUCN/SSC AfESG)、およびアフリカサイ専門家グループ(IUCN/SSC AfRSG)の委員を長年にわたり務め、トラフィックでは最も古い職員として、過去33年にわたり象牙と犀角の違法取引のモニタリングをおこなってきた。近年の密猟と違法取引の急増を背景に加速する国際的取り組みの中でも、専門家としての立場から、また、日本という消費国とアフリカの生息国の両方で長年活動した稀な経歴を活かして、世界各地で精力的に活動を続けている。

トム・ミリケン インタビュー
(オリジナル:2012年に公開)

イベントご案内のチラシ → 


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©Steve Morello / WWF

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