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「動物の愛護及び管理に関する法律」についての要望書

2010年12月27日
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 トラフィックイーストアジアジャパンは、2010年11月9日に開催された中央環境審議会動物愛護部会動物愛護管理のあり方検討委員会(第7回)に対し、「動物の愛護及び管理に関する法律」についての以下の要望書を提出し当会議において説明を行った。さらに12月27日に、環境省自然環境局に対し、同様の要望書を提出した。


 

「動物の愛護及び管理に関する法律」についての要望書
―「関連法令違反時の扱い」について―

トラフィックイーストアジアジャパン
代表 石原 明子

1.背景

 日本は、生きた哺乳類、鳥類、爬虫類など多種多様な動物を海外から大量に輸入する輸入大国です。そのなかには、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)でその国際取引を規制された希少な野生動物種も数多く含まれています。 

これら希少なものを含む動物種の一部は、密輸や違法な取引のターゲットとなる事例があとをたちません。実際には、ワシントン条約の国内施行法である関税法、外国為替及び外国貿易法(外為法)、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)などに違反した取引がこれにあたります。このような事例においては、動物個体は不確かな経路により入手され、しばしば動物にとって適切といえない環境下に置いて輸送や取引がなされます*。

* 繰り返し密輸の罪をおかしているペットショップ経営者によって、靴下に入れられて密輸された子どものコモンマーモセット3匹の事例(2007)があります(添付資料参照)。

 

2.要望内容

同法で定める、都道府県知事による、動物取扱業の登録が拒否される要件(第十二条)と登録の取消しがおこなわれる要件(第十九条)として、生きた動物の不正な取引にかかわり、下記の法令を犯したと判断された場合を加えること。

●関税法
●外為法
●種の保存法

 

3.理由

<動物の密輸は動物虐待のひとつであり、動物愛護管理法の趣旨に反するため>

 不正なルートで入手される状況は、捕獲時や移動時に取扱いが不適切な場合が多くあります。密輸などが発見された場合に、差し止められた個体の少なくとも一部、あるいは全部が死亡しているというケースが多くみられます。これは、動物愛護管理法の基本原則「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適性に取り扱うようにしなければならない」(第二条)に反します。 

 

101227orangutan.jpg ©TRAFFIC East Asia-Japan

 また、「動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて、国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛および平和の情操の涵養に資する」という目的(第一条)を損なう行為であります。

 さらに、取引に関する法規制に違反する場合に、同時に動物愛護管理法に違反するという事例もみられ(添付資料)、動物の取引に関する法律への違反と、同法への違反は密接にかかわっています。そのため、動物取扱業の登録を定める唯一の法律である同法は、これらの取引関連法と連携することにより、動物に対する不適切な取扱を排除し、適切な取扱を推進する効果を高めるべきです。

以上

2010年12月27日
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