ホーム野生生物ニュース動物ニュース>違法な象牙取引が増加

野生生物ニュース

違法な象牙取引が増加

2009年12月10日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 
091109ivory-seizure-joyce-wu.jpg
▲最近続いている大規模な象牙の押収事件は、アフリカの原産国とアジアの象牙を利用する市場とを繋ぐ、組織化された犯罪シンジケートが増えている事を示唆している。
©Joyce Wu/TRAFFIC

【英国、ケンブリッジ発 2009年11月9日】
ゾウ取引情報システム(ETIS)にある違法ゾウ製品押収記録の最新の分析から、2004年から増え続けている象牙の違法取引が2009年に急激な上昇を見せたことがわかった。

 トラフィックが運用しているゾウ取引情報システム(ETIS)は、ワシントン条約の下にある2つの監視システムのひとつで、押収されたゾウ製品について世界最大の記録量のデータが収蔵されている。

 第15回ワシントン条約締約国会議(CoP15)を前におこなわれたこの分析は、1989年以降に85の国や領土から集められてきた、14,364件ものゾウ製品の押収記録にもとづいておこなわれた。今回は、2007年度の分析に使われたものより2,000件ほど多い。

 2009年の驚くべき増加は、一連の大規模な象牙押収事件を反映しており、アフリカの原産国とアジアの象牙を利用する末端消費市場とを繋ぐ、組織化された犯罪シンジケートの関与が増えていることを示している。

 アジア、アフリカの大規模な国内象牙市場と、法執行の弱さとの高度な相関関係は続いており、通常、違法象牙取引の流れは、法執行が弱く、規制という障害が機能していない市場へ流れる傾向にあることが示唆される。

 こうしたアフリカやアジアの規制されていない違法な国内市場を止めさせるためにワシントン条約の主要な手段である条約の「アフリカゾウの象牙の取引管理のための行動計画」がある。象牙違法取引の増加は、この行動計画の施行がこの5年で著しい変化を起こせなかったことを示している。

 ETISの分析は、世界的な象牙違法取引にもっとも深く関係している3国としてナイジェリア、コンゴ民主共和国、タイを特定した。これらの国を含む違法取引は、2002年の最初の査定以来、幾度ももっとも注目すべき国として指摘され続けてきたが、今もなお、象牙の違法取引にとって、供給源や、中継地、消費地として重要なホットスポットとして特徴づけられている。

 他にも、9つの国や領土(アフリカのカメルーン、ガボン、モザンビークと、アジアの香港特別行政区、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナム)が象牙違法取引における重要な中心地だと特定された。

091109etis-graphic.gif
▲最新のETISのデータをみると、2004年から着実に増加していた違法象牙取引が2009年に急激に増加している。© TRAFFIC  

 日本と共に、2008年に合法で、ワシントン条約にも承認された、一回限り(one-off)の象牙販売先であった中国は、現在アフリカに拠点を置く中国国籍の者による根強い違法取引の試みに直面している。今なお続く証拠は、海外在住の中国人が象牙の違法な調達に広く関わっている事を浮き彫りにしている。この問題は、海外に住む中国人社会に対して、積極的な普及啓発活動を通じて取り組む必要があることを示している。

 この結果からは、1999年と2008年にワシントン条約が認めた一回限りの象牙販売に関係があるかはっきりとしたことはわからない。

 1999年6月に最初におこなわれた一回限りの販売の後5年間は、違法取引の低下が見られ、この販売による世界的なゾウ製品の違法取引の増加を示唆する証拠は見られなかった。

 2008年後半におこなわれた、ワシントン条約が承認した2度目の象牙販売の後、需要の増加を刺激したのか、過去4年に既に増加の傾向にあった供給とたまたま時期が合ったのかははっきりしない。期間を延ばしてよりデータを収集することで、この極めて重大な問題に更なる光を当てることが出来るだろう。

 ETISのレポート(E15-44.01A)はワシントン条約のウエブサイトからダウンロードできる(ワシントン条約事務局のサイト)


■特集サイト:日本への象牙輸入について

2009年12月10日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

cop16_img_03.gif

【CITES-CoP16】第16回ワシントン条約締約国会議:附属書改正提案について

2013年01月30日

3月3日~14日、タイのバンコクで開催される第16回ワシントン条約締約国会議に向けて、トラフィックイーストアジアジャパンは、数回のシリーズでワシントン条約関連情報を掲載する。


その第1回目として、「附属書改正提案について」をまとめた資料を紹介する。


そのほか、詳しい情報はこちらから→http://www.trafficj.org/aboutcites/conference/cop16/

121210rhinos.jpg

密猟対策に新展開!南ア・ベトナム両政府が覚書に調印

2012年12月13日

南アフリカとベトナムの両政府は、違法な野生生物の取引への対策を含め、生物多様性の保全に関する2国間の協力を強固にするための覚書に調印した。トラフィックとWWFは、この調印が、近年急激に悪化しているサイの密猟に対抗する上で極めて重要な転機になると見ている。


トラフィックは、違法な犀角の行き先の多くがベトナムであることを示した報告書を今年の8月にリリースしている。
報告書のダウンロードはこちらから(英語)→『The South Africa--Viet Nam Rhino Horn Trade Nexus: A deadly combination of institutional lapses, corrupt wildlife industry professionals and Asian crime syndicates』

©Martin Harvey / WWF-Canon

121203pledge-header.jpg

クリントン国務長官の呼びかけにより 米国政府がキャンペーンを展開

2012年12月03日

クリントン国務長官は12月4日を「野生生物保護の日」に定め、ゾウ、トラ、サイなど絶滅の危機に瀕した野生生物の違法取引を撲滅するための世界的なキャンペーンを展開しています。

121108Hilary-Clinton.jpg

ヒラリー・クリントン 野生生物の不正取引について言及

2012年11月29日

米国国務長官ヒラリー・クリントンが、野生生物の不正取引を取り上げ、世界規模で影響のある国際問題として、その脅威について言及した。

ⓒWWF

関連出版物

12_Illuminating_the_Blind_Spot.jpg

Illuminating the Blind Spot: A Study on Illegal Trade in Leopard Parts in India(2001-2010)

発行:2012 TRAFFIC India 【2012年8月発行】 著者:Rashid H. Raza, Devendar S. Chauhan, M. K. S. Pasha, Samir Sinha 【英語】52pp.

pagetop