ホーム野生生物ニュース動物ニュース>米国の象牙市場、最新の調査結果

野生生物ニュース

米国の象牙市場、最新の調査結果

2016年10月14日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 

【米国、ワシントンDC発 2016年10月14日】

 トラフィックが、米国の国内象牙市場の数カ所でおこなった緊急調査により、国内市場閉鎖の規制が以前大規模であった都市部の市場での象牙製品の販売量減少への影響を与えたことが示された。

 調査員たちは、今年の5月から7月にかけて、米国6つの主要都市で象牙製品の販売状況と量、値段について調査をおこなった。その結果、227の販売業者が一業者当たり平均約7点の製品、全体として1,589点の製品を販売していたことを明らかにした。

 この調査は米国連邦政府が2016年7月6日に施行した、アフリカゾウの象牙製品の輸出入、国内取引の"ほぼ全面禁止"を意味する規制が導入された時期におこなわれた。これらの新たな規制の下で、販売者はそれぞれの象牙製品が例外的に販売を許可されていると示さなければならない。

 この調査結果は、世界各国の政府に国内の象牙市場を段階的に閉鎖するよう呼び掛けた、南アフリカのヨハネスブルクで今月幕閉した「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」の締約国会議直後に公表された。

 「政府が象牙取引の禁止に向けて施行した厳格な規制と、国民の認識を高めるための取り組みにより、米国国内における実物市場での販売量は減少しているものの、販売者は全般的にこれらの新たな連邦法、州法についての理解に欠けている」と、トラフィックUSのシニアプログラムオフィサーRachel Kramerは述べた。

 「米国魚類野生生物局(USFWS)は、的を絞ったアウトリーチを通して売り手と買い手が現行の規制について理解を深め、混乱を減らすための支援ができるだろう」。

 報告書は、販売者が商業目的の象牙販売を規制の弱い州へ(州を跨いで)違法な形で移動させる可能性、つまり連邦政府やいくつかの州による象牙の違法取引解決に向けた前進を妨げる危険性を指摘している。しかしながら、これら新たな規制は徐々に需要と販売量を減らすことで市場を大幅に、最終的には無視できるほどにまで縮小することが出来るかもしれない。

 「今回の調査は、継続的な市場調査と観察によって新たな米国連邦規則の効果を確認するための基準を確立する」と、Kramerは述べた。

注釈:
今回の市場調査において対象となった地域はボストン、ロサンゼルス大都市圏、ニューヨーク、ポートランド、サンフランシスコとワシントンDC大都市圏であった。いくつかの地域では商業的販売を規制するために州法が施行されていたが、州規制のない地域もあった。調査員たちは、227業者によって計1,589点の象牙製品が販売されていることを確認した。分析時に法執行機関による調査が行われていた特定の外れ値を含み、一業者当たり平均で7点の製品を販売していた。ワシントンDC大都市圏がもっとも象牙製品の販売が多く(68業者で658点)、続いてポートランドOR(37業者で254点)、ニューヨークNY(41業者で224点)、ボストンMA(22業者で188点)、ロサンゼルス大都市圏CA(42業者で177点)、そしてサンフランシスコCA(17業者で88点)という結果となった。

米国における象牙実物市場の調査は、2016年にWWFとIFAWの資金提供によっておこなわれ、トラフィックが公表予定の米国の象牙市場調査に関する報告の一部である。

2016年10月14日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170406ⅰ.Experts agree to enhanced international DNA testing.jpg

専門家、サイの国際的なDNA検査を強化することに合意(南アフリカ共和国)

2017年04月06日

2017年4月5日、南アフリカ共和国の裁判所が、犀角(サイの角)の国内取引が可能となる判断を下した。2015年以来、裁判所に異議を申し立てていた政府の訴えが最終的に却下されたことにより、2009年以来設置されていた国内取引のモラトリアムが無効となった。今後、南アフリカ国内での犀角の取引が可能となるため、更なる注力が必要となる。トラフィックでは、調査や科学捜査へのサポートを継続していく。

© Dr Cindy Harper

170227Black-rhinos-Martin-Harvey-WWF-Canon-820.jpg

南アフリカ、サイ密猟数二年連続で減るも危機的状況は続く

2017年03月01日

南アフリカは、2016年に国内で違法に殺されたサイの個体数が1,054頭であったとの公式データを発表した。2014年には1,215頭、翌年には1,175頭に減少を見せ、そこからさらに若干減少したことを意味しているが、依然としてその数は許容できないほど高い。

© Martin Harvey / WWF-Canon

170209.jpg

レンジャーの命を守る新たな訓練ガイドライン

2017年02月09日

このたび、専門家チームによるレンジャーのための訓練ガイドライン一式が作成され、これを国際レンジャー連盟(The International Ranger Federation)、国際トラフォーラム(The Global Tiger Forum)、Thin Green Line Foundation、PAMS Foundation、WWFらが世界的に展開する。トラフィックもこれに提携する形で貢献している。

© Rohit Singh / WWF

170207.jpg

ユーロポールとトラフィック、環境犯罪と闘うため手を結ぶ

2017年02月02日

トラフィックは、2016年にユーロポール(欧州刑事警察機構)と覚書を結んだ。これは、環境犯罪、特に絶滅のおそれのある動植物の違法取引に対抗する両機関の連携を強化すると共に、情報交換や相互支援を円滑にしていくことを目標としている。2017年2月2日、さらなる協議を目的に、会談をおこなった。

関連出版物

201704hk-ivory-report-closing_strategy-1.jpg

Closing Strategy:Ending Ivory Trade in Hong Kong

発行: TRAFFIC【2017年4月】 著者: Lau, W., Xu, L., Guan, J. and Xiao, Y【英語】48PP

1706traffic-rhodis-report-10_Feb_17-1.jpg

RhODIS® (Rhino DNA Index System): Collaborative Action Planning Workshop Proceedings

発行:TRAFFIC【2017年2月13日】 著者:Ross McEwing, Nick Ahlers【英語】30pp

pagetop