ホーム野生生物ニュース動物ニュース>タイ政府、押収象牙2tを粉砕

野生生物ニュース

タイ政府、押収象牙2tを粉砕

2015年09月01日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷
 


© Elizabeth John / TRAFFIC

【タイ、バンコク発 2015年8月26日】

 タイ政府は8月26日、WWFタイとフリーランド(Freeland)の厳重な監査を経て、2tあまりの押収象牙を粉砕した。

 Prayut Chan-O-Cha(プラユット・ジャンオーチャー)首相は、このイベントの演説で、今回粉砕に至るまでの経緯におけるトラフィックの支援について言及した。粉砕は、同国が違法な象牙取引に立ち向かう政策の一部として象牙市場の改革を進める最中に実施された。毎年3万頭近いゾウが象牙目的で密猟されており、それらの主な仕向け地はタイを含むアジア市場となっている。

 粉砕された象牙は、タイ税関と国立公園・野生生物・植物保全局(the National Parks, Wildlife and Plant Conservation Department)の保管在庫で、既に完了した刑事事件で押収されたものだった。いくつかの象牙のサンプルは、その出所を究明するための法医学分析用に保持された。

 「タイは、アフリカのゾウの密猟を煽り、組織的犯罪者たちの懐を満たしている違法な象牙取引を終わらせるための世界的な取り組みに、全力で従事している」と、トラフィックでゾウの問題のリードをとるTom Milliken(トム・ミリケン)は語る。

 「タイの象牙市場を定期的にモニタリングしている唯一のNGOとして、トラフィックは、取引の究極要因である市場価格および需要に対し、このイベントが与える影響を調べるのに適した立場にある」。

 2013年、タイは、国内の象牙市場を閉鎖するか、さもなくばワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES)の下、取引の制裁措置を受けるという強烈な国際的圧力にさらされた。

 タイ政府は、「国内象牙行動計画」を策定し、2015年1月には、歴史上重要な象牙に関する法を可決させるなどの対応をした。この法律は、家畜化され、個人が所有するアジアゾウ由来の象牙における既存の合法市場の規制を目的とし、それらの象牙の登録を所有者と業者に科している。今年のはじめに、220tあまりの象牙が、4万4,000以上の一般市民から登録された。この数字は、事情に詳しい専門家でさえ驚くものだった。

 タイ政府はさらに、既存の国内法である野生生物保存・保護法(Wild Animal Reservation and Protection Act)を改正し、アフリカゾウをタイ国内における保護種とすることで、アフリカゾウの象牙の販売を禁じるに至った。

 これまでの象牙市場の改革は、非常に歓迎されており、2015年4月の導入時には象牙販売量の即時の低下につながった。しかし一方で、これらの新しい法律が十分に実施され、施行されることを保障するためには、必要なステップがまだいくつかある。

 「現在、象牙店が再び営業を開始しているが、陳列されている製品は、マーキングシステムに反映されているようには見えない。こうした状況では、象牙管理システムが、違法な象牙のロンダリングを効果的に防ぐことができるのかどうか疑問視しなければならない」と、ミリケンは述べる。

 象牙の合法取引のため新設している登録制度の細部には、まだ最終調整が必要である。具体的な事項としては、新制度における合法象牙および小売業者の追跡方法、発行される販売証明書の機能、市場検査手順の策定、不遵守に対する罰則の設定、システムの有効性の監視方法の決定が含まれる。もうひとつの重要な問題は、象牙のオンライン取引の規制方法である。

 「象牙のオンライン市場を取り締まることは、重大な執行上の課題を浮き彫りにする。最善の解決策は、タイにおいてインターネット上での象牙の販売を禁止することである」と、ミリケンは述べる。

 トラフィックは、2012年にガボンでおこなった象牙在庫焼却の監査の際に構築した手法を用いて、象牙監査プロセスについてのガイダンスを提供した。

2015年09月01日
ソーシャルブックマーク はてなブックマーク yahooブックマーク livedoor del buzzurl
ツイート ツィート
Buzz GoogleBuzz
印刷 印刷

関連ニュース

20170909_event_2.jpg

【セミナー開催報告】ペット取引される爬虫類
-上野動物園×WWF・トラフィクセミナー-

2017年09月25日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催しました。生息地の開発や、ペットにするための捕獲、密輸により、絶滅の危機に瀕しているカメやトカゲなどの爬虫類。これらの動物は、密輸される途中で保護されても、多くは生息地に帰ることができません。なぜでしょうか?こうした日本のペットショップで販売される爬虫類の取引の現状と問題について、専門家が解説。参加者の疑問に答えました。

©トラフィック

170830ivory.jpg

国内での象牙取引で違法事例再び
古物商ら12人が書類送検されるも不起訴に

2017年08月30日

2017年8月25日に象牙9本を違法に取引した容疑で、東京都内の古物商と従業員、その顧客ら12人が書類送検されるという事件が報道された。これは、6月20日に同じく18本の象牙を違法に取引した業者が書類送検された事件に続き、2017年で2件目の摘発となる。さらに29日には、不起訴処分となったことが明らかになった。世界では、ゾウの密猟と象牙の違法取引に歯止めをかけるため関係国が抜本的な対策に着手する中、日本国内で相次ぐ違法な象牙の取引。国内市場管理の問題点があらためて浮き彫りになっている。

©Martin Harvey / WWF

170909event.jpg

【セミナー開催のご案内】上野動物園×WWF・トラフィックセミナー
-ペット取引される爬虫類-

2017年08月23日

2017年9月9日、トラフィックは、上野動物園にて「ペット取引される爬虫類」についてのセミナーを開催します。動物園で飼育されている爬虫類の生態やペット人気の陰で絶滅の危機に瀕している種を守るための取り組みと、日本のペットショップで販売されている爬虫類の取引を巡る課題などを専門家が分かりやくお話しします。

© Michel Terrettaz / WWF

170808elephant.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引、最新報告書発表

2017年08月08日

2017年8月8日、トラフィックは、日本の主要eコマースサイトでの象牙取引を調査した報告書を発表した。調査の結果、オンライン店舗のほか、ネットオークションや個人向けフリマサイトでも活発な取引が行なわれる中、現状の規制に大きな課題があることが明らかになった。今回の調査で、これまで不明瞭だった、特にインターネットを通じた象牙取引の一端が明らかになったことから、日本政府にはあらためて、違法取引を許さない包括的な規制措置を求めていく。

©Martin Harvey / WWF

関連出版物

17_Online_Ivory_Trade_in_Japan_JP.jpg

日本におけるインターネットでの象牙取引 アップデート

発効:トラフィック【2017年8月】 著者:北出智美【日本語】Briefing Paper

17_Briefing_CHI-World_Rhino_Day.jpg

Chi Initiative BRIEFING PAPER World Rhino Day 2017

発行:Chi Initiative【2017年9月】 著者:TRAFFIC【英語】24pp

pagetop