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カナダで最大規模の象牙の密輸に対し、罰金とトラフィックへの支払いが命じられる

2007年10月26日
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071025elephant53941.jpg アフリカゾウ©WWF-Canon / Martin HARVEY

【2007年10月12日】
2007年10月12日に、カナダ環境省*が発表したところによると、カナダのブリティッシュコロンビア州リッチモンドの地方裁判所において、象牙3万個以上を違法に輸入したユク・ミン(ピーター)・ホーは罪を認め9,000カナダドル(約107万円)の罰金をブリティッシュコロンビアに支払った。さらに同氏には、アフリカゾウの保護のためのプログラムを支援するため、トラフィックに対してもさらに9,000カナダドルを支払うよう命じられた。捜査で押収された彫刻品、宝飾品や工芸品などの象牙は、小売りレベルの見積もりで10万カナダドルを超えるものと推定されたが、これらもすべて没収される。

罰金は、事件で対象となった種の絶滅のおそれがどのぐらいのレベルであるかということと同時に、その量を商業的な側面から判断して決められる。今回の象牙事件は近年カナダ環境省の野生生物執行部が捜査したものとしてはカナダ最大の事件であった。

この事件の捜査はホーが香港にいた2005年2月にはじまっている。同氏は名前や住所を偽り自分宛に小包を送った。この中に入っていた小さな彫刻品は、はじめバンクーバー国際郵便局のカナダ国境サービス官によって発見された。その後識別や捜査について問い合わせを受けたカナダ環境省が、香港漁農自然護理署の助力を得て、捜査をおこなった。

アフリカゾウはワシントン条約の附属書Iに掲載されており、国際取引は禁止されている。カナダではWild Animal and Plant Protection and Regulation of International and Interprovincial Trade Act (WAPPRIITA)とその規則の下、アフリカゾウやその部分については保護されている。



*カナダ環境省(Environment Canada):カナダの執行当局。カナダ政府に代わり、ワシントン条約の施行に対して責任を担う主導機関である。

カナダ環境省の報道発表より http://www.ec.gc.ca/default.asp?lang=En&n=714D9AAE-1&news=E456290A-CB9E-4457-AE21-8F5FF7AD491F、2007年10月18日閲覧

 

2007年10月26日
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関連キーワード ゾウ 日本 種の保存法 象牙

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