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【ジャカルタ、インドネシア発 2006年2月2日】マッコードナガクビガメChelodina mccordi は、インドネシア東部のロティ島の湿地にだけ生息する小型の長いくびを持ったカメである。この固有種は、1994年に新種として認められた後、国際的な需要は増大し、この種がほとんど絶滅するという状況になった。2001年より、この種をインドネシアから輸出することは認められていない。新種の記載以前は、ニューギニアナガクビガメC. novaeguineae という別の種として違法に輸出されてきた。ニューギニアナガクビガメはインドネシアでは1980年から保護されている。
新しいトラフィックのレポート"The Trade of the Roti Island Snake-necked Turtle Chelodina mccordi" で、この種の捕獲や取引がインドネシアの関連法に従っておこなわれていなかったことがわかった。1997~2001年はマッコードナガクビガメの捕獲や輸出に国内割当が設定されているが、捕獲のための免許はこれまで発給されていないし、インドネシア国内で原産地から輸出地までの移動に対する輸送許可も発行されていない。1994年以降に輸出されたマッコードナガクビガメのすべての標本は、違法に入手されたものである。
2000年にはIUCNのレッドリストで、この種は近絶滅種(CR)として分類されている。ワシントン条約では、この種は附属書 II に掲載されており、国際取引は許可書のシステムのもとでおこなわれる。
しかし、ヨーロッパ、北米、東アジアの愛好家やコレクターによるマッコードナガクビガメへの国際的な需要が続けば、この固有種を絶滅へ押し進めることになる。たとえマッコードナガクビガメがインドネシアの保護種のリストに加えられても、過剰捕獲から野生生物を守るための現行法によるモニタリングや執行では十分でなかったり、場所によってはまったくおこなわれていないところもある。もし、野生生物の捕獲や輸送を管理するこれらの法律が執行されなければ、この種は、そう遠くない将来、野生で確実に絶滅するだろう。
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新しいレポートでは、国内でのよりよい保護や執行、改善させるための能力の強化を含む、多くの提言を発表している。インドネシアのワシントン条約管理当局と密接な協力関係にあるトラフィックは、2005年12月にロティ島や隣接するチモールからの執行機関に対し、トレーニングと意識向上のための講座を実施した。
「わたしたちは、政府機関の意識や執行技術の能力のレベルを高めることによって、密猟者がロティ島に残存しているカメを密輸出しづらいと感じることを期待する」と、このレポートの共著者であるトラフィックサウスイーストアジアのChris Shepherdは言う。
「インドネシアのワシントン条約の管理当局はトラフィックと密接に協力し、ロティ島の執行機関に、絶滅のおそれのあるそのカメの状況やそれらを守る必要があることを教えている」とインドネシアのワシントン条約管理当局(PHKA)のDr. Samediは言う。「PHKAはまた、ロティ島のマッコードナガクビガメを完全な保護種として掲載できるよう、インドネシアのワシントン条約科学当局(LIPI)と協力している。」
レポート全文ダウンロードできます。
The Trade of the Roti Island Snake-necked Turtle Chelodina mccordi - トラフィックサウスイーストアジア作成、英語とインドネシア語
◆詳細に関するお問い合わせ
*Chris R. Shepherd, Regional Programme Officer, TRAFFIC Southeast Asia at cstsea@po.jaring.my, tel. +603 7880 3940,
*Maija Sirola, Communications Co-ordinator, TRAFFIC at maija.sirola@trafficint.org, tel. +44 (0)1223 277427.
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