
森林は多くの野生生物に生きるための住みかや食べ物を提供しているとともに、人々にも多くの恵みをもたらしています。人は、樹木そのものや森林に生きる多様な動植物を利用しています。
トラフィックは特に、木材の採取と、取引のガバナンスおよび透明性を進歩させ、価値ある樹木種と生物多様性豊かな森林を保全します。
木材の採取と取引のガバナンスおよび透明性の進歩を通じて、過剰に利用される樹木種と、世界でも重要度の高い森林の保全に貢献します。地域にもとづいた保全や消費形態の変革など、多様な取り組みとの協調を通じて、互いの効果を高めることを目指しています。さらに、違法で持続可能でない伐採が引き起こす森林の劣化をくい止めることにより、広い意味での気候変動の抑制にもつながると考えています。
木材は、世界で広く利用・取引される野生生物製品です。2005年には金額にして1540億ユーロの木材が国際的に取引されました。しかし、各地でおこなわれてきた伐採のために、樹種の生育数の減少や、生育地の破壊が世界中で起きています。さらに、そうした脅威は森林の植物に対してだけでなく、人々の経済活動にも及んでいます。違法、あるいは持続可能でない樹木の伐採が、時に国や地域が獲得すべき経済的利益の正当な獲得を阻み、国や地域に経済的にも大きな損失をもたらしています。森林管理や取引管理など、これらの問題を解決するために必要な対応策も、人的・物的資材や資金不足などのために十分に機能しないこともあるのが現状です。
現在は、生産国・消費国の両方の政府が、採取と取引を効果的に管理するために必要な情報や仕組みが不足していると認識するようになってきています。そのような中、消費者や企業は、合法で持続可能な供給源に由来していることの証明を求めるようになり、FSC認証など第三者認証が活用され始めています。
トラフィックは、世界でおこなわれる木材取引を調査・分析することを基礎とし、木材取引のモニタリングや透明性を進歩させ、将来にわたる持続可能性と合法性を確保するための活動を続けています。特に、植物を種として取引をコントロールするワシントン条約の効果的な導入に注力しています。また、特に重点をおいて保全すべき森林に影響を及ぼしている取引経路や、過剰に利用されている種に重点を置きながら、違法に伐採・取引された木材製品の輸出入を防ぐため、主要な市場の政府や企業の対策強化を支援します。
■取り組んでいる種
オオバマホガニー
ラミン
アフリカンチーク
など
■取り組んでいる地域
ボルネオ
アフリカのミオンボ林
など
林産物のニュース
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2017年05月31日
© Purple Lorikeet / Creative Commons Licence CC BY-SA 2.0
林産物に関する資料
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