地球上にはさまざまな生き物がいて、互いにつながり合って生きています。そして、これを支える生態系があります。
その全体を『生物多様性』と呼びます。熱帯林、農地、里山、河川、沿岸、海洋など生態系のタイプはさまざまですが、
私たちはそこから得られる恵みをもとに暮らしています。木材、薬用植物、衣類、農作物、魚介類、サンゴなど。
ところが、もし、ある生物種を過剰に利用するとしたら、どうなるでしょう。
その生物は数を大きく減らし、恵みを得るのが困難になっていくことでしょう。過剰な利用は生物多様性を損なうのです。
人が野生生物を利用するとき、売買や交換などの経済的行為をともないます。 つまり、野生生物の取引が生じます。 適正な水準を超えた野生生物の取引は、生物多様性を脅かす要因になります。 生物多様性を守るためには、生息地を保全するのと同時に、野生生物取引の問題にも取り組んでいくことが大切なのです。
野生生物取引とは?
野生生物取引とは、野生の動植物種を売買したり、交換したりすることを言います。
生きた動物や植物だけでなく、毛皮、薬、ペット、木材、魚、皮革製品といったさまざまな製品が取引されます。
【なぜ野生動植物は取引されるのか】
野生生物が取引される理由はたくさんあります。例えば、水産物や肉などの食料、 燃料や牧草、木材や樹脂などの建築材料、皮革・毛皮・羽毛などを使った衣類や装飾品 、鷹狩りからトロフィーハンティングといったスポーツ、動植物に由来する薬による医療、宗教、コレクション、ペットなどです。
野生生物の取引をおこなう最大の動機は経済的なものです。それは地元の人々のささやかな現金収入を目的としたものから、海洋漁業や伐採企業のような大規模な利潤追求型のビジネスまで様々です。
野生生物を実際に捕獲し、採取する人々と、最終的にそれらを消費する人々の間には、保管、出荷、輸送、加工、工業生産、マーケティング、輸出、小売業など数多くの仲介者が存在することになります。実際は、ただ最終消費者という形であっても、だれもが何らかの形で野生生物の取引に関わっていることになります。
取引される多様な生き物
取引される生き物図鑑
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