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クマは日本のあちこちにいるってホント?

日本には、2種類のクマがすんでいます。昔は、沖縄県を除いた日本全国にクマが生息していました。

ヒグマ(学名:Ursus arctos yesoensis

 ひとつめは、北海道にすんでいる「ヒグマ」。国内の生息数は、2,000~3,000頭といわれていて、とくに観光地として有名な知床半島は生息密度が高いことで知られています。

  オスは体長約2メートル、体重120~400kg、メスで50~200kgにもなる大型哺乳類です。ヒトよりも大きい野生生物は、日本ではそうそうお目にかかれません。森の豊かさのシンボルといえる、貴重な存在です。北海道の先住民族であるアイヌの人々は、ヒグマを神様として敬い、祈りと感謝を捧げてからクマ狩りをして、肉や毛皮などを利用させてもらっていました。

  北海道は、クマとヒトが、他の国に比べて、比較的うまく共存している地域といえます。狭い島の中で、ヒトとヒグマが、お互いに気を遣いながら、うまく距離をとりながら暮らしています。

<北海道のヒグマと他国との比較図>

中国(黒竜江省)の場合


(80人に対して0.002頭
/1平方km)

アメリカ合衆国
(アラスカ州)の場合
(0.5人に対して0.02頭
/1平方km)

じゃあ、
日本(北海道)は?
(70人に対して0.03頭
/1平方km)

人口密度が高く、
絶滅が危惧

人口密度が低く、
クマは存続
人口密度が高く、
クマは存続!!

●アラスカと黒竜江省の面積、沈香は北方圏調査室資料、ヒグマの生息数はIUCNのBears, Status Survey and Conservation Action Plan(1999)による。
●北海道のヒグマ生息数データは北海道環境科学研究センター(2000)を参照。
●資料作成:間野(北海道環境科学研究センター)。

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ツキノワグマ(学名:Ursus thibetanus japonica )

 もう1種類は、本州、四国にすんでいる「ツキノワグマ」です。ヒグマより小ぶりで体長約1.5メートル、体重40~130kgくらい。平均体重はオスで70kg、メスで60kgといわれているので、体重的にはヒトの成人と大差ありませんし、背の高さ的にはさほど大きくありません。また動物園で見られるクマは、食べ物が豊富なせいか太っていますが、野生下では意外なほどスリムな体型です。それでも本州以南の山林にすむ日本最大の野生生物。実は東京都の奥多摩地方にも、ツキノワグマは生息しています。いまも東京都民のクマがいるなんて、ちょっとびっくり。それだけ本当はポピュラーな生物なのです。神奈川県の山にもすんでいます。足柄山で金太郎とお相撲をとったクマは、ツキノワグマに違いありません。

  しかし推定個体数は8,400~1万2,600頭。九州ではすでに絶滅したと考えられています。四国でももう残りわずかでカウントダウン状態。西中国山地や紀伊半島、下北半島でも生息域が分断され、非常に深刻な状況です。一方、東北や北陸、信州には幸いまだ生息しています。しかし、そのため人里にでてくることなども少なくありません。

 


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