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野生生物保護でも金メダルを!
〜旅行者はお土産品に注意〜

トラフィックイーストアジアジャパン発  2008年8月6日
 
 
差し止められた漢方薬など

 いよいよ8日、北京オリンピックが開幕する。急速な経済発展を遂げている中国は、野生生物消費国としても知られるようになっている。海外旅行の楽しみといえば買い物とグルメ。その際のお土産と食事に気をつけて、感動のオリンピック観戦を。

 最近の情報では、周辺諸国から野生生物やその部分が流入しており、中国は野生生物の一大消費地としての存在感を高めつつある。なかには、密猟された野生生物が、密輸によって中国国内に流れ込んでいる例もある。

 中国に渡航する日本人が、こうした野生生物に由来する食品や医薬品などをお土産として買う機会があるだろう。そこで思い出して欲しいのがワシントン条約。ワシントン条約は絶滅のおそれのある稀少な野生動植物や、それらから作られた加工品の国際取引を規制しており、海外で購入し日本に持ち帰ろうとして、税関で輸入が差し止められるといったケースが多数起きている。

 昨年、税関で輸入が差し止められた総件数は953件。このうち65%(全体の3分の2)にあたる626件が中国から持ち帰ろうとして輸入が差し止められたケースであったのだ(資料1の図1)。また内訳では、もっとも多かったものはジャコウジカを使用したもので、以下、ヒョウ、サイガ(ウシ科アンテロープ亜科の動物)、ヘビ(ニシキヘビ他)、クマと続いており、そのほとんどが漢方薬や健康食品の原材料として使用されていたものであった。(資料1)

 中国にオリンピック観戦に行くのみならず、海外に渡航する日本人は、そのお土産品がワシントン条約の規制の対象となっていないかどうか、気をつける必要がある。知らないでいると、せっかく買ったお土産品を税関で手放すことになりかねないばかりか、原材料となっている野生動植物たちを必要以上に利用することにもなりかねない。つまり、絶滅のおそれのある稀少な野生動植物から作られた商品を買い求めないことが重要なのだ。購入者が少なくなれば、こうした商品の供給は減少し、商品の需要が減った結果、絶滅のおそれのある稀少な野生動植物が採取・捕獲される機会も減少していくこととなるのだ。

 また海外に渡航される日本人は、お土産だけでなく食事にも気をつける必要がある。例えば、高級中華料理に使われるフカヒレやアワビ、また西洋料理に使われるキャビアなどは、過剰な消費がこれら野生動植物の生息数の減少の大きな要因のひとつと言われているのだ。その他にも、スッポンなどの淡水ガメやナマコの過剰消費も問題になっている。何を食べようかと考えるときは、食材に何が使われているかも注意しながらメニューを選んで欲しい。特に中国には絶滅のおそれのある稀少な野生動植物が世界中から集められ、食材として利用されているのだ。(資料2)

 購買力のある日本人旅行者や中国の富裕層が、ワシントン条約で規制されている野生生物由来の製品の消費を控えれば、その野生生物の保護にもつながる。今回の北京オリンピックでは、そうした面にもスポットライトをあてたいものである。トラフィックとしては、「野生生物保護でも金!」をキャッチフレーズにすることを提唱したい。

 トラフィック イーストアジア ジャパンの代表、石原明子 は、「お土産を買う時、食事をする時、それが何でできているのかよく考えてください。そして世界の野生生物には限りがあることを思い出してください」と語る。

ワシントン条約とは:
 商業取引によって野生生物種の存続が脅かされることのないよう、国際的に取引を規制する条約。1975年に発効し、現在締約国は173ヵ国(2008年8月1日現在)。約35,000種の野生動植物種の国際取引が規制されている。規制は生息状況や取引状況などに応じ、3つのカテゴリーに分けられており、また、これらの部分や製品であっても規制の対象となる。条約対象種の国際取引をおこなう場合には、条約に基づいた特別な許可書が必要となる。ワシントン条約は、締約国が許可書または、証明書を発行する権限を有する管理当局と、輸出入について種の存続を脅かすことはないかどうかの科学的助言をおこなう科学当局を設けることを規定している。日本では、管理当局は経済産業省、科学当局は環境省と農林水産省が担当している。詳しくはトラフィックイーストアジアジャパンのウエブページをご覧ください。http://www.trafficj.org

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■本件に関するお問合せ: トラフィック イーストアジア ジャパン 石原明子(Tel:03-3769-1716)
                 http://www.trafficj.org
■添付資料:資料1: 中国から日本に来る違法な野生生物
        資料2: 各国から中国へ違法に運ばれる野生生物 (事例1事例2



(2008年8月6日更新)

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