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![]() 絶滅に向かうスマトラトラ:トラの身体の部分が次々に売買トラフィックネットワーク報道発表 2008年2月13日
スマトラ島にある28の都市や町で2006年におこなわれた調査から、326の小売店の10%において、トラの犬歯、ツメ、毛皮、顔の体毛、骨といったトラの部分を販売していることがわかった。小売店とは、貴金属店、土産品店、中国の伝統薬店、骨董品店、宝石店などである。 犬歯の数から、同調査は、こうしたトラの部位からなる製品を作り出すのに、23頭のスマトラトラが殺されたと推定している。 「1990年から2000年にかけて、毎年52頭のスマトラトラが殺されていたという推定値からは少なくなっています。しかし、利用されるトラの数が減っているのは、悲しいことに、野生下のトラの数が減少しているためという見方が成り立ちます」とトラフィック サウスイーストアジアのプログラムオフィサーであり、本報告書“インドネシアのスマトラ島でトラの取引がふたたび起きている(The Tiger Trade Revisited in Sumatra, Indonesia)”の主著者であるジュリア・ヌグは言う。 今回トラフィックがおこなった調査の全体から、スマトラ島北部の中心都市メダンと、そこから15km離れた小さな町パンクール・バトゥ(Pancur Batu)がトラの部位の取引に関して、主要集積地としての役割を果たしているのがわかった。 トラフィックでは、インドネシア政府当局に対し、関与している取引業者の詳細について定期的に報告している。それにも関わらず、そのことに対して何らかの実効性ある措置がとられているかどうか明確ではない。
「取引業者を指導して違法取引をやめさせる」という有効な法執行に、持てる労力を集中すべきであると、この報告書は提言する。取引のホットスポット(重要地点)のモニタリングは継続的におこない、インドネシア政府当局が行動を起こせるように、すべての情報は伝えられるべきである。トラやほかの野生生物に関する取引で、刑罰に値すると見受けられるものは、法律を最大限に適用して処罰すべきである。 「私たちは野生生物取引の問題に取り組まなくてはいけません。ただ、現在のところ、私たちはほかにも多くの重大な問題に直面しているのです。不幸にも、それがスマトラトラの個体数減少につながっています。私たちは、スマトラ島における土地利用の転換、生息地の分断、人とトラの軋轢、貧困といった問題と悪戦苦闘しているのです。土地利用の転換と生息地の分断は、トラを人の居住地に近づけ、人とトラの軋轢の問題を生んでいます」とインドネシア森林省の生物多様性保全ディレクターのトニー・ソエハルトノは言う。 2007年にバリで開催された気候変動の会議中、インドネシアの大統領は、トラ問題への取り組み強化として“スマトラトラ保護戦略とその行動計画2007-2017”を発表した。
スマトラ島の残り少ないトラは、パルプ・製紙産業とパーム油産業による森林の無秩序な伐採による脅威にもさらされている。生息地の喪失と違法取引という複合的な脅威を前にして、ただちに問題解決に取り組まなくては、インドネシアのトラは死亡宣告を受けることになるだろう。 「スマトラトラは、すでにIUCNのレッドリストの絶滅危惧種の中では最上位(CR:近絶滅種)に入っています。これは、野生下では絶滅する一歩手前の状態にあることを意味します。このすばらしい生き物を失うことは耐え難いことです」とIUCNの野生生物保護プログラム責任者のジェイン・スマートは言う。 「スマトラトラの個体数は400-500頭よりも少ないと推定されています。もしも密猟と違法取引が続くならば、ジャワトラとバリトラが絶滅したように、スマトラトラもまた消えゆく運命にあることは、数学者の力を借りなくてもわかります」とジュリア・ヌグは言う。 インドネシアは現在、ASEANの野生生物執行ネットワーク(ASEAN-WEN)の議長国である。したがって、「インドネシアが、トラの部位を含む違法な野生生物取引に対して行動を起こすことによって、ほかのASEAN諸国に対してリーダーシップを示して見せるべき」と、同国のトラフィック事務所のコーディネーターであるアニ・マルディアストゥティは提言をおこなっている。 NOTES:
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