レッサーパンダは絶滅の危機にある動物である
―直立するレッサーパンダが人気を集めていますが、国際条約で
保護されている動物であることを知ってください―
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© WWF-Canon / Gerald S. CUBITT
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トラフィックイーストアジアジャパン、WWFジャパン発 2005年6月8日
各地の動物園で、人間さながらに二本足で直立するレッサーパンダが話題となっていますが、もともと生態的に直立する習性を持った動物のようです。しかしながら、メディアで大きく取り上げられたことから、一躍全国的な人気動物となっています。テレビCMが撮影されたり、関連商品が売り出される動きもあると聞いています。
トラフィックイーストアジアジャパンとWWFジャパンでは、このような機会を通して、この動物の置かれた厳しい状況について、さらにもっと考える機会を持っていただければと考えています。
レッサーパンダの正確な個体数は明確ではありませんが、IUCN(国際自然保護連合)という機関が、レッドリストという希少動物のリストに掲載し「絶滅危惧種(EN)」に分類しています。なかには、しっかりとした保護策をとらなければ、20年後には野生のものは絶滅してしまうかもしれないと警告を発する専門家もいます(Hunter 1994)。つまり、動物園や保護施設でしか見られなくなるおそれがある動物なのです。そのため、希少な動植物の国際取引を規制するワシントン条約でも、商業的な利用は禁止されています。ワシントン条約ではもっとも高いランクの「附属書I」に掲載され、商業取引は国際的に禁止されています。また、日本国内でも、種の保存法(正式名称:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)という法律で、厳格に保護され、その利用に関しては、法律に規定された範囲でなくてはなりません。
絶滅の危機に瀕している原因は、レッサーパンダの生息地が農業用地を切り開く目的などで破壊されたり、毛皮を取るために捕獲されたり、生きたまま個体が違法に取引(Glatston 1994)されたりしていることです。野生での主な生息地は、ヒマラヤから中国南部にかけての標高1,800〜4,000mの山岳地帯にある森林や竹やぶです。野生のレッサーパンダにふりかかる脅威はまだなくなってはいません。これら脅威は、人間によるものであることに着目してください。レッサーパンダを絶滅の淵に追いやるか、この危機的状況から救い出すか、いずれにしても人間活動にかかっています。
日本の各地の動物園で飼われているレッサーパンダは、ワシントン条約や種の保存法の規定に沿って扱われています。国内の動物園同士などで移動させるときは、種の保存法第13条の規定にしたがって、飼育繁殖などの学術研究目的を環境省に申請し、許可を得なくてはなりません。
今般のレッサーパンダ人気につき、商業的に関心を向ける関係各位におかれましても、このような希少動物であるレッサーパンダに過剰な負担がかからないように十分な配慮を望みます
■ この件に関するお問い合せ先:
トラフィック イーストアジア ジャパン 清野比咲子(tel. 03-3769-1716) /広報担当 大倉寿之
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