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2003. 5. 21
ゆるすな、サンゴの密漁!
『日本沿岸サンゴ識別マニュアル』を作成し、海上保安庁へ配布

 このたび、トラフィック イーストアジア ジャパン*1と琉球大学の酒井一彦助教授は、海上保安庁の協力の下、「日本沿岸サンゴ識別マニュアル」を作成した。このマニュアルは、海上での不正採取などの監視業務に役立てられるため、海上保安庁へ配布される。

日本沿岸にはおよそ400種の造礁サンゴ*2が生息している。各県の漁業調整規則*3などでは、漁業者以外が潜ってサンゴを採取することは禁止している。トラフィックが、1999〜2000年にかけて、日本沿岸造礁サンゴの販売状況の調査を行なったところ、70種以上の日本沿岸サンゴが販売されていた。また、その一部は違法に採取された可能性が高いことがわかった。この結果をもとに、関係省庁に捕獲・譲渡の禁止などを訴えた要望書も提出した。その後、取り締まりを強化した海上保安庁でもサンゴの密漁の摘発があった。そして、NGOと研究者、法執行機関の三者が、「日本沿岸サンゴ識別マニュアル」の必要性を認識し、協力して作成するに至った。

この識別マニュアルでは、トラフィックの市場調査や専門家の助言をもとに、市場で人気のある日本沿岸サンゴの中の代表種を写真入りで取り上げている。A4サイズで、海上での使用にも耐えられるように耐水仕様になっている。

琉球列島には豊かなサンゴ礁が広がり、黒潮に洗われる日本沿岸でも、サンゴはその土地の生態系を支えている。日本沿岸サンゴが違法採取されつづけることで、

地域の環境を支えるサンゴ礁生態系に影響を与えてしまうことが懸念される。このマニュアルの作成をきっかけにサンゴの不正採取の監視がより強化されることが望まれる。またトラフィックでは、サンゴは通常、水槽での長期間飼育が難しく、

消耗品となってしまうおそれがあることを消費者に知らせ、また不正採取されたものは買わないよう呼びかけたい。

*1TRAFFIC :WWF(世界自然保護基金)とIUCN (国際自然保護連合)の自然保護事業であり、そのミッションは国内および国際的法律や協定に基づき、調査、モニター、報告を通じて、特に動植物にとって有害な野生生物の取引をなくすことである。TRAFFICの報告や助言は、取引における野生生物の効果的な自然保護政策や計画を策定するための専門的基礎資料となっている。

*2造礁サンゴ :硬質なサンゴの中で、サンゴ礁の基盤を作る役割を担うサンゴ類の総称。

*3漁業調整規則 :各県における海面・内水面の水産資源の保護、漁業の取り締まりなど、漁業の調整を図るための規制。

■ この件に関するお問い合せ先:

トラフィック イーストアジア ジャパン  石原明子  Tel:03(3769)1716

*この資料は、海上保安庁記者クラブ、農林水産省記者クラブ、環境省記者クラブに配布しています。

 

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