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2002. 4.22
ギンムツ類保護のための新たな取り組み (シドニー 2002年4月19日)

経済的にも価値が高いマジェランアイナメ*1やライギョダマシ(以下ギンムツ類)の南極海での違法漁業を防ぐためには、野生生物取引に関する保護協定の下で国際的な規制を導入することが効果的である。ギンムツ類の違法、未報告、無許可(IUU漁業)の漁船が近年問題となっており、これらの種への悪影響を広範囲で調査している。

トラフィックの報告書"Uncharted Waters: Implementation Issues and Potential Benefits of Listing Toothfish in Appendix II of CITES"は、158カ国が加盟し約3万種が対象となっているワシントン条約で、ギンムツ類を附属書IIに掲載することの効果を述べている。報告書は附属書IIに掲載したときの施行方法についても分析している。

南極海のマジェランアイナメ保護管理の機関である南極海洋生物資源保存管理委員会(CCAMLR)*2は、IUU漁業の継続がマジェランアイナメ資源を回復不能まで減少させたと述べている。CCAMLRの管理強化にもかかわらず、IUU漁業を防ぐことはできていない。

「ギンムツ類を附属書IIに掲載することはギンムツの世界取引を規制するのに効果がある」と、トラフィック漁業担当アナ・ウィロックは述べている。「ギンムツ類の製品の90%は国際間で取引されている。30ヵ国が実施するCCAMLRで規制するだけでなく、CITESの全締約国で規制することも効果がある。」

(c)B.Watkins

トラフィック事務局長スティーブン・ブロードは、「大規模商業漁業の対象となる海洋魚種をCITESに掲載することは議論となるだろう。種の存続が脅かされている種の国際取引をCITESで規制する目的は、その種が持続可能に利用されることを確保するためである。取引を禁止するためではない。CITES掲載が特定の魚種の保護に有意義であることの分析はごくわずかしかない。しかし、トラフィクの報告書によると、ギンムツ類の場合は、附属書IIに掲載することが保護に有益であることが明らかである。」

報告書では、ギンムツ類を附属書IIに掲載するにあたって、施行に関して確認すべきことがたくさんあることを明らかにしている。これは、CITES条文で述べられている、一国の管理下にある海域とはなにかを確認することも含まれる。このような確認事項をもとに港に水揚げされたギンムツ類がCCAMLARの保護策に基づいて漁獲されたものであることを、CITES締約国は確認する必要がある。このように、ギンムツ類を長期的に利用するためには、CCAMLR と CITESの 締約国の協力が必要である、と報告書は結論づけている。

トラフィックの報告書は、2001年に公表され、2000年に取引されたマジェランアイナメの半分はIUU漁業であると報告している。CITESような補足的機能の役割は、IUU漁業のながれを止めるための検討を求めることにある。

トラフィックの報告書は、2002年11月4〜15日にチリで開催される、第12回ワシントン条約締約国会議でギンムツ類を附属書IIに掲載するよう求める保護団体や業界の意見を補強している。


*1 マジェランアイナメDissotischus eleginoidesは、南極海の島嶼域周辺、チリやアルゼンチンのパタゴニア海域の陸棚から陸棚斜面に生息する大型魚類である。
成長は遅く、成熟する70〜90cm に達するまでに6〜9年かかる。最大で2mになり50年以上の寿命がある(Kock,2000)。日本では、ギンムツ、メロという流通名が使用されている。なお、日本国内ではメロは近縁種のライギョダマシD. mausoniにも用いられる。

*2 CCAMLR締約国:アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、チリ、ヨーロッパ共同体、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、ナミビア、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、イギリス、ウクライナ、アメリカ、ウルグアイである。

お問い合わせ先 トラフィック イーストアジア ジャパン 武藤文人

Tel: 03-3769-1716
email:traffic@trafficj.org

For more information, please contact Anna Willock, TRAFFIC Oceania, tel. (61) 2 9280 1671, (mob.) 0403 241106, email: awillock@traffico.org, or Communications Co-ordinator Maija Sirola, TRAFFIC International, tel. (44) 1223 277 427, email: maija.sirola@trafficint.org, or a TRAFFIC office nearest to you. A copy of the report can be downloaded as a PDF file from the TRAFFIC web site at www.traffic.org

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