2000. 8. 2
日本沿岸のサンゴが盗まれる!
―トラフィックジャパンが不正採取防止を要望―
野生生物の取引を監視するトラフィックジャパン(*)は、本日、日本沿岸に生育するサンゴの不正採取の防止を求めて、環境庁野生生物課森康次郎課長、農林水産省漁業資源課末永芳美課長および関係各県の水産部宛に要望書を提出した。
人間の居住区に近い海域に生育するサンゴは、汚染や開発の影響を受けやすく、さらに海水温の上昇などにより、すでに地球上のサンゴ礁の約60%は劣化しているといわれている。さらに近年、観賞用にサンゴを購入する人々が増え、日本沿岸産のサンゴが採取されている。一般に個人がサンゴの長期飼育をするのは難しく、消耗品になっているおそれがある。
日本沿岸には約400種の造礁サンゴが生育しているが、今回熱帯魚店やペットショップを調査した結果、約60種の造礁サンゴの販売が確認され、なかには、本州、四国、九州の沿岸でしか生育しないヒメエダミドリイシ、ニホンアワサンゴなども含まれていた。また、電話聞き取り調査を実施した78店中45店(57.5%)が日本沿岸産サンゴを販売していると答えた。なお、販売されていたサンゴの同定は、東北大学の五十嵐健志氏の協力を得た。
サンゴ礁採取に関する現行の法律には、漁業法や自然公園法などがあり、原則として非漁民によるサンゴの採捕は禁止されている。東京都と沖縄県では、漁業調整規則によって造礁サンゴの採捕を全面禁止している。自然公園法では、漁民・非漁民問わず、サンゴが生育する海中公園地域や全国21カ所の国立国定公園海域での採捕を禁じている。今回は、これらの既存の規制に加え、「種の保存法」の対象にするなど、いっそうの規制強化を要望した。
要望内容は次のとおりである
- サンゴが生育している全ての県で、漁業調整規則によるサンゴの採捕の取り締まりを強化し、そのための具体的な政策を検討すること
- 「絶滅のおそれのある野生動植物に関する法律(種の保存法)」の対象に加え、その捕獲及び譲渡を禁止すること
- 日本沿岸サンゴの希少性や海洋生態系における役割を熱帯魚店、関連雑誌を含む関係者や一般を対象に広く普及啓発すること
* トラフィックジャパンはWWFジャパンの野生生物取引監視部門です
この件に関するお問い合わせはトラフィックジャパン・石原 TEL:03-3769-1716まで
添付資料:日本沿岸サンゴの不正採取を防止するための要望/写真
この資料は、環境庁記者クラブ、水産庁記者クラブで配布しています
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